時代は自己中

　前回、香港の若者と日本の若者の政治意識を比較してみたが、これはすなわち、
どれだけ自己中の意識＝民主主義の主権者としての自我、が強いかどうかだと思
う。
　香港の場合、イギリス統治時代に個人主義、民主主義の主権者としての自覚が
植え付けられ、それが社会人主義国、中国に乗っ取られようとしていることへの
抵抗である。つまり自我が潰されることへの真正面からの抵抗である。
　一方、日本の若者は、民主主義社会に育ってはいるが、個人主義ではない。つ
まり、民主主義の主権者としての自覚は薄い。さらに、年金と言う暮らしにかか
わるイッシューは、あくまでも暮らしの話で自我との関係は弱い。だから真正面
から問題に向き合う、と言うことにならない。
　まあ、民主主義の現状は、ポピュリズムみたいな分断社会で、生きずらいし、
思考が矮小化されて進歩も見込めない。むしろ中国の方がある意味やりたい放題
(プライバシーもへったくれもないから、社会の電子化が進む。そりゃ7pay みた
いな事件は日本人にはできない)なので、格差社会を承知で前進している。どちら
も長続きするとは思えない。
　香港の場合は、老若男女、現地人外国人の垣根を超えた運動であることに大き
な意味がある。あれはかつポピュリズムを卒業し、多様性とシングルイッシュー
の共有と言う民主主義の在り方を示してくれる理想的なケース妥当考えている。