外山恒一屋外宴会＠高円寺駅南口駅前広場

　《少数派》の私は外山恒一氏の話を聞きに高円寺へ。恐いもの見たさｗでなか
なか家と反対方向の電車に乗る勇気がなかったが、金曜日なので思い切ってここ
は行ったれと（笑）。
　いきなり駅を降りたら人だかり、すごいことになってるなあ。もちろんその輪
の中心にいるのは小柄でスキンヘッドな外山氏。人気者なのは分かるが、こんな
駅正面ではまずいでしょ、と思っていたらすぐにロータリー中央の公園へ移動。
その間にビラ配りのお兄さんからビラをもらう。内容は、８時を過ぎているので
もちろん政権を述べたビラではない、彼の思想集団？の私塾の参加者募集、と
言った趣の内容。氏と２ショット記念写真を撮る人もいて、すっかり人気者。
選挙運動禁止時間なので（AM7:00-PM8:00だっけ？）拡声器を使わず生声なので
雑踏の騒音で聞き取りづらかったりするが、とりあえずこの集団の後をついてい
けばいいんだな。学生やフリーターが多いのかと思ったが、意外と背広姿も少な
くない（オレだろ！）。
　最初はスゴイ人数で、まるでスキャンダル芸能人をパパラッチ記者が囲むよう
な光景だったが、やがて野次馬は消えて本気で外山氏の話を聞きたい者だけが
残り、本人とその周囲のかぶりつきの人たちはその場に腰を落ち着ける。
　第１印象をズバリ言うと、この人は松坂みたいな大物である、と思った。レッ
ドソックスでの初登板で１０三振を奪い、初勝利を味わった後のインタビューに
驚くほどの冷静な受け答えを見せた松坂と同様、外山氏も思わぬネットでの評判
にも、そしてこうして人だかりができるほどの民衆（有権者？と言っても自分は
千葉県民だから都知事には票は入れられないけど）にも動じるところはない。そ
してあちこちから飛んでくる矢継ぎ早の質問（政見放送では恐ろしくコワモテだ
が、こうして生で見ると実にフレンドリーな兄貴分でもある）にそつなく答える
頭の回転の良さ。選挙資金は全額借金らしいが、政治思想についてはかなり勉強
しておられるようだ（自身は最初アナキストからファシストに転向したのだそ
う）。
　それにしても、ヤンキー入っているような若者がマジメに政治を語るという希
有な風景。彼の存在は政治無関心層を目覚めさせた、と言うだけでも十分に役割
を果たしていると言えるだろう。ファシズム、と言えば、過激な思想を連想しが
ちだが、今の世の中にもすでにファシズムな風景はあちこちにあるわけで、彼な
りにファシズムを消化して吐き出す言葉にはそれなりに説得力がある。ナチズム
を当時の反グローバリゼーション運動だと喝破した見識には目からうろこが落ち
た。何よりも、短い時間で日本の政治の現実の隠された部分がかなりあぶり出さ
れるような面白さがあった。
　引きつけられる話に夢中になっていたらあっという間に時間が過ぎていた。外
山氏がお手洗いで中座したタイミングで帰ることに。こりゃ夜通しやってそうだ
な（高円寺なら深夜でも人通りは絶えないだろうし）。まとめると、思いがけず
日本の政治に希望を見いだせるような、そんなポジティブな集会であった。