ホーキング博士追悼

　ホーキング博士が亡くなって１週間、やはり私は科学反対の立場は変わらない。
もちろん、博士は科学は万能ではないことをちゃんと言っていて警告もしている
が、ある程度は共感するものの、私は少し違うと思っている。
　例えば宇宙人との遭遇は争いになるから止めた方がいい、と言うのは全くその
通りだが、それは未来の危惧ではなく科学者の言葉を借りずとも人類の過去の歴
史から明白だ。白人が黒人を奴隷にし、アメリカ先住民を浄化してアメリカ合衆
国を作った。民族同士のちょっとした対立だけで簡単に悲劇は起こせる。同じ人
類同士ですらそうなのだから、ましてや人類が宇宙人と仲良くできる訳などない
（こっちが歓迎しても向こうがそうとは限らない）。
　結局のところ、私は科学は信仰の１つでしかない、と思っている。ドイツの数
学者Kurt Goedelが不完全性定理を主張したことで、数学すら万物の心理を書き表
してはいないことを証明した。分かりやすく言えば、様々な定理（ピタゴラスの
定理とか、あんなやつ）の最上位には、公理と言うこれ以上証明できない命題が
ある（平行とは、どこまで行っても交わらずかつ等距離を保った関係とか）。そ
の公理が数学自身で証明できない以上、数学が完全に自然界を表している訳では
なく、わずかばかり人間の恣意が紛れ込んでいる、と言う訳である。
　私はカトリックではないからガリレオを追放したりはしないけど、天動説を信
じているし、祟る神の代表と言える原子力を発見したキュリー夫人やアインシュ
タインは皆Ａ級戦犯だと思っている。