AIとは神である

　もちろん否定的な意味でこの仮説を立てている。
　ビッグデータを駆使し、膨大な計算を行って未来を予測する。ビッグデータの
量と計算スピードが特異点singularityを超えて精度を上げて行けば、そのうち
本当に未来を言い当てる存在になるかもしれない。
　その時、我々人類はどう振る舞えば良いのか。例えば株式市場の未来をほぼ100%
の確率で言い当てられたら、もう証券市場は投資家にとって存在価値を失うだろ
う。株式市場が崩壊すれば、それはすなわち資本主義の崩壊を意味する。今の証
券市場はギャンブル性があるのは確かだが、AIによって市況を掌握されてしまっ
たら、投資と言う行為は自由意思では行えないものになる。
　それより何より、100%に近い確率で未来を言い当てる占い師が登場したらどう
なるだろうか。AIは間違いなくカリスマ的存在となり、浅原彰晃を超える新興宗
教教祖となる。しかも、そこまで未来を正確に当てれば、政権にも取り入る存在
になるし、世界を自由自在に扱う存在になる。つまり、世界の支配者になる。
　AIはもはや機械ではなく、人知を超えることで神になる。人類はすべからく自
由意思を奪われると言う恐怖政治が訪れる。