都慰霊堂参拝

　銭湯めぐりする暇もない金曜日。両国で下車。駅前には大きな建物、国技館と
江戸東京博物館。昼間はにぎやかなのかもしれないが、夜はゴーストタウンにな
る。そんな国技館と博物館の間を抜け、都の慰霊堂もまた人気のない建物。三重
の塔は建てた当時は目立っただろうが、今では国技館と博物館の陰に隠れ、N○T
ド○モのビルからは見下ろされる有り様。
　大正、昭和初期には関東大震災、そして72年目を迎えた東京大空襲、と続けざ
まに大きな不幸を体験した東京の少しばかり昔の記憶が詰まった、特定の宗教に
依存しない被災者慰霊施設。
　僕個人にとっては3.11の記憶もここにある。3/10に参拝できず、翌日に参拝し
たところで揺れを感じた場所。そして、ポスト3.11の象徴、東京スカイツリー
（その１年後の５月に営業開始）も晴れた夜空によく映えている。
　慰霊堂のすぐそばに築地本願寺の分寺があるのは知らなかった。明日は3.11犠
牲者の供養を行うそうだ。そういえば、3.11ばかりでなく、熊本地震からももう
すぐ１周年なのか。人気が少ない分、日本の国土の不幸な現代史（今も現在進行
形）に想いを馳せながら参拝した。