家族と趣味

　よく、「家族を養っている人間の方が責任感があるので出世する」と言う言説
がある。一方、趣味にはまっている人に対しては「自分のやりたいことに優先順
位を高くつけるので出世しずらい」と言う偏見がある。これについての反論。
　先ず「家族がいると」云々については、家族が健康であることが前提である。
病に臥している家族がいれば、優先順位は通常家族の方が高いので、仕事に全力
で取り組むことができず、責任感云々では語れない。病みがちなだけでなく、学
校や世間で問題を起こす子どもだっている。むしろこの言説は男女機会均等法を
なし崩しにし、女性を中途半端に家庭に縛り付け、管理職にポジションを解放し
ない重大な問題がある。家族がいることイコール責任感がある、と言う公式は胡
散臭い。それなら子どものいる母親を管理職にしろ、と言う話である。
　次に、「趣味を持つ者」云々であるが、確かに営業の途中にパチンコ行ったり、
なんてサボリーマンのイメージは昔だったらあるが、仕事をサボりたいのは趣味
のある人間もない人間も変わらない。趣味に熱心なら仕事も熱心にやれば良いの
に、と愚痴る人がいるが、趣味にもろくに没頭できない人間が仕事に没頭なんか
できるか？と逆に聞きたくなる。趣味に意欲が高い人間は、仕事にも高い意欲を
見せるポテンシャルがある。それを指導できないのは上司のせいにして良いと思
う。