ビッグコミックスピリッツが日本国憲法全文を載せる意味

　もちろんきっかけは、選挙権が18歳以上に引き下げられ、いよいよ来週7/10に
最初の選挙権となる参院選が控えている、と言うタイミングはあるが、それ以上
の意味がありそうだ。

・最近は経済を争点にするとろくな結果にならない、憲法をあらためて見直す時
期になっている
　一般的には“庶民に身近な争点”と言うことになれば経済問題が一番の関心事
だろう。アベノミクスの成功/失敗は最大の論点と言える。
　しかし、今や経済問題を下手に強調すると、移民排斥や英国のような国民分裂
のような経済以上の深刻な社会問題を引き起こすようになってきた。むしろ経済
発展はここで一休みし、お金がなくても“良い日本”を作ることを考える時期で
はないか。そのエッセンスが憲法には詰まっている、と言うこと。

・憲法は今や国家防衛の論点だけでなく、ブラック企業で働く人、貧困で教育が
受けられない人、DVで苦しむ人への「人権」を争点として考えるべき
　憲法と言うとすぐに九条が論点になるが、憲法の最も重要な論点は国民の権利
であり、すなわち人権である。格差は経済的発展も必要ではあるが、人権無視の
経済発展をしても中国みたいにしかならない。経済に関係なく国民の“豊かさ”
を考える上で、25条の人権要項こそ今最も注目すべき条項である。

・美しい日本＝日本国憲法と言い切ったスピリッツに喝采
　スピリッツを見て、個人的な印象としてかなり“右寄り”な印象を受けた。こ
れは改憲＝右寄り、と言う既成概念を大きく打ち破る。日本の平和を真面目に考
えて「護憲」の結論を導き出す、これはスピリッツの快挙と言って良い。