イキガレない時代

　今の社会はイキガッている連中をほとんど見かけなくなった。不良もいないし、
ヤンキーは地元ラブとか平和なこと言ってるし、パンクスもいない。デキるヤツ
がカッコよく、デキないヤツはいくらイキガッてもカッコ悪いとされる。
　じゃあ中身重視の素晴らしい時代なのか？そんなことは決してない。ヤンキー
ですら鬱になる時代。時代のヒーローだった人物が一夜でバッシングに晒される
ような時代に誰もイキガレない。
　僕は不良やパンクスとは対極の、正義が大手を降って闊歩してる時代の方がよっ
ぽど危ない気がする。ＩＳなんて神の名の下に的な大義名分があるからあそこま
で突っ走ってる。ヤンキーや不良の方がまだ改心の見込みがある。安倍政権だっ
て似たようなものだ。
　人は誰だってちっぽけで、大物なんてほんの一握りしかいない。それでも人が
生きていけるのは、その人なりのプライドを持てているからだ。ちっぽけな取る
に足らない人物だからと言って、そのことをストレートに受け止められるほど人
は強くない。ちっぽけな人間をあからさまにちっぽけだと言ってしまう今の時代
は本当にストレスフルだ。医学の進歩がなかったら、現代はきっと江戸時代より
短命だったに違いない。少子化もその現れだろう。