東アジアはなぜ結束できないのか?


<2006.11.13(Mon)>
 日本や中国、北朝鮮などの情勢を世界レベルから見た場合、極東地域というの
は非常に結束が弱いことに驚く。私が憧れている中南米の左翼政権の連帯はもち
ろんだが、ヨーロッパだってEUによってアメリカに対抗することを各国の利害
を超えたところで追い求めているし、中東でさえイスラエルを除く各国はサウジ
やクウェートなどの親米政権を巻き込んでイスラム諸国の連帯を強めている。そ
れらに比べると極東のいがみ合いは一体なんだ?暴れん坊将軍こと北朝鮮にした
って、アメリカに悪の枢軸国呼ばわりされることで逆に中東の結束力をまとめあ
げたイランのアフマディネジャドと比べると、親交のある中国からさえ疎ましく
思われるほどに孤立している。日本は日本で先進国でありながら親米過ぎるがた
めに極東地域をまとめあげようとする意識に欠け、それどころか靖国問題などで
要らぬ孤立感を強めてしまっている。
 なんか危機感を持つ方向がおかしいんだよ、もう世界はアメリカに媚を売って
安定できる時代じゃないのに、あくまでも親米であることが生き残り策だと思っ
てる連中が日本には未だに多い。北朝鮮を敵視して軍備拡大をもくろむなんて問
題外、アメリカを敵視して地域が結束する、という意味では実は北朝鮮のやって
いることは21世紀の世界事情を見ると自然な振舞いで、むしろ彼らに追随して
もいいくらいだ(むろん北朝鮮の独裁政権は大いに問題なので、金正日が中心に
なることは断固反対だが)。私としてはそんな北朝鮮を中国に押さえ込んでもらっ
て、中国を極東のリーダー国に押し上げて、極東情勢の安定と結束を進めるべき
のが良いではないだろうか。日本にはおそらくそのようなリーダーシップを発揮
する器量は到底ないであろう。日本を民主主義という意味では極東一だが、政治
力ではやはり中国にはかなわない。共産党独裁政権がアジアの中心というのはや
はり問題だ、というのであれば、日本ががんばるしかないのだが、極東をまとめ
るのであれば「反米」と言うテーマは譲れないであろう。