読売社説［防衛「省」審議］「国防問題で排すべき党利党略」

　読売社説たたき第何弾？（笑）

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20061109ig90.htm

　百歩譲って読売の姿勢を認めたとして、それでも『主張の揺らぎ』は大丈夫な
のか？と思う。防衛庁の「省」昇格議論だが、北朝鮮の核脅威を前面に出してい
る。これまで、北朝鮮への外交姿勢はずっと「拉致問題の早期解決」であった。
しかしかの国が核実験を行なって以来、争点はいつの間にか「国防」に移ってし
まった。確かに隣に核を持ったヤクザな国が現れたら、国防について議論したく
なるのは分かる。だが北朝鮮の外交のポイントをずらしてしまうと、じゃあ横田
めぐみさんは無事取り返せるの？いらぬ火種を作って、拉致問題の解決は遠のく
ばかりじゃないの？と私は思うわけである。
　北朝鮮は繰り返し、核はアメリカに対抗するために保有した、と発言している。
つまり、日本は北朝鮮核の直接の標的ではない。その意味では、実際に国境を
接していると言う意味で日本より脅威を感じているはずの中国、韓国の方がよっ
ぽど冷静に対処している。核実験にテンパって、横田めぐみさんを返してもら
う、と言う論点を忘れてしまう今の読売の議論の姿勢は、めぐみさん無事帰国を
望む日本国民への裏切りである。