米中間選挙での民主党圧勝

　米国民はブッシュ大統領のこれまでのイラク政策を失敗であ
ると判断していることが明らかになった。となれば、今後米軍
によるイラク駐留を止め、少しずつ撤退に向かうことは間違い
ない。
　ひるがえって、これを日本から見た場合、くしくも安倍首相
が核保有議論を容認したのが中間選挙の結果が見えてきた８日
だった。田中宇氏風に分析すれば、これは日米安保の縮小を予
見した安倍首相が、日本独自の軍事力拡大を見据えて発言した、
と考えるのが妥当に思われる。
　前の記事で私は「核保有議論を容認するとは、テンパってい
る北朝鮮と同じレベルのレベルの低い発想だ」と言うことを述
べた。実はまさに、日本はこのようなレベルの低い議論を始め
なければならないほど、今極東軍事勢力的にテンパっている、
と言うことだ。表向きは北朝鮮の核実験に対抗して、と言うこ
とになっているが、実際は米共和党敗北に伴う日米安保協力体
制の縮退予想こそが核保有議論への導火線となる大問題だとい
うことだ。
　個人的には今の状況を十分に見極められないのでどのような
対応案が良いかは分かりかねるが、こうした状況において如何
にして日本に非核三原則を守った状態で現実の国家の安全を考
えるべきか、と考えなければならない状況にある。なお、前の
記事で書いた通り、核保有議論をすること自体が落とし穴には
まることだ、と言うことは現在の状況でも変らないことだけ最
後に確認しておく。