つれづれと 3/23

　前回は「今は新しいものを手に入れることよりも失われたものを取り戻すこと
の方がはるかに重要だ」と言う話をした。しかしよく考えると、新しいものを手
に入れようとすると経済が回るのに、失われたものを取り戻すことには全然お金
が回らない、と言うことに気づく。北方領土返還は返還後に何か再開発で経済を
動かすことはできるが、返還までの道のりでお金が動くことはない。
　おそらく、失われたものとは大抵“かけがえのない”ものであり、それはお金
では図れない、と言うことだ。より卑近な例で言えば、失恋に対してお金は（う
まい使い方ができれば話は別だが）基本的に役に立たない。
　僕が働く意欲を失いかけているのは、対価をお金で支払われても埋め合わせで
きないような本当に大切なものを失っている可能性が高い（それが何なのかは自
分でもよく分からない）。
　何かは分からないが、それを埋め合わせできるものがあるとしたら、心の平安
をもたらす宗教ではないか、と感じている。特に、電力エネルギーを使わずには
生きていけない今の生活を懺悔し、可能ならばそうした生活から離れた暮らしが
できれば、と思っている。こうして書き上げてみると、ひどく現実離れしている
ように見える。なぜだろうか、100年前だったらむしろ現代の放蕩のライフスタ
イルの方こそイカれたものに映っていたはずのものなのに。
　まあいずれにせよ、信仰は簡単ではない、生活スタイルを変えなければならな
いからだ。もちろん生活スタイルを変えなくても良い宗教はたくさんある。と言
うか、日本の宗教は檀家のように家全体での信仰であり、個人が神と直接対峙す
る信仰ではない。私は直接神と深く向き合う宗教を選択しなければならない。
　とりあえず目の前の問題の解決は“食べること”だと思う。だいたいここ最近
気分が滅入っているのも、先週前半に吐き気でものを食べていなかったからだ。
おかげで少し体重が減ったが、こんな減らし方で減った分などすぐにリバウンド
するに決まっているので別に嬉しくもない。やはりトッキュウジャーにまで伝染
した“ごちそうさん”精神はハンパではないなあ。