何も変えてはならない

　残業が続き、疲れたと感じる一方、やり場のない怒りが同時に充満している。
「頑張れば何でもできる」と言う今流行りの思想傾向とは完全に対立状態に入っ
たと感じる。
　「頑張れば何でもできる」とは、結局は人類のおごりである。壊してはならな
いものを次々と壊し、人類が新たなものを築いていく（僕自身も破壊されたが、
それ以上に世界が破壊されてきた）。創造は素晴らしいのかもしれないが、その
裏で繰り返された破壊の数々。
　新興国はこれまで創造や破壊から距離を置いてきたが、これから彼らもこうし
た輪に入ってくるのだろうか。少なくとも、イスラームはこうした活動には積極
的ではない。生産活動よりも日々の礼拝を上位に置く。
　自然エネルギーについてはまた議論の余地はあるかもしれないが、少なくとも
化石燃料エネルギー、原子力エネルギーは確実に地球を破壊している。エネル
ギーを使うことそのものが問題なのであって、そういう文明の基礎自体に疑念を
抱くと、イスラーム的な素朴な生活感覚を取り戻すことが肝要と考えるように
なった。イスラームは単に地球上の人口の多数派になっていく理由のみならず、
人類が西洋的な過剰な消費（それを経済成長などと肯定的に呼びたくはない）を
根本から見直しを迫る思想として広まることを心から願う。