核廃絶の原点へ

　北朝鮮の核開発が行くところまで行ってしまった現在、もは
や核兵器は国際外交の切り札としてどの国もが持ちたがるよう
な時代に入りつつある。私たち日本人がこれまで一所懸命「核
のない平和な世界を」と訴え続けていた努力も、隣の国の横暴
でひどく踏みにじられている。おかげで日本の閣僚までもが核
保有をタブーとしない、とまで言い出す有様。
　しかし、今だからこそ、核のない世界を求める運動をゆるめ
てはいけない時期だと思う。もちろん、北朝鮮以外にもすでに
核を持っている国に対しても幅広く訴えていく必要がある。そ
もそも、核は外交カードではない、あんなものはヤクザの飛び
道具のような脅迫の材料だ。現実的国際政治論として核抑止論
と言うものがあるが、米ソ冷戦時代の大国の自己中心的な戦略
であることは疑いの余地がない。大国のエゴの下、人類の存続
自体を危険にさらす核兵器の開発、保持に対し、私たち市民は
各国が核廃絶に向けて協力をしていかなければならないことを
繰り返しあきらめることなく訴えていく必要があることを痛感
する。（正直、私自身も核抑止論に負けているところがあるの
で、自戒を込めて）