BOOKREVIEW: 春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン（マガジンハウス）

　ズバリ、なんなのこの人？とビックリするくらい政治全般に詳しく、かつ分か
りやすい本。春香さん、「今でしょ！」の先生と一緒に予備校の先生か何かに
なっても十分食べていけますよ！（脱線、てか高校途中から来日したとは思えな
い日本語達者ぶりですでに相当頭の良い人であることは明らかなんだけど）
　タレントが書いていること以上に、中立的な書きっぷりに驚く。まあ政治家を
アイドル視して追っかけるのならば、確かに政治的信条が偏ったりはしないのか
もしれないが、そのようなミーハー感覚だけではここまで詳しく書けない。つま
り、政治を純然たるシステム、制度として理解していて、その上に読者の皆さん
１人ひとりの判断を載せていってください、と言う話ができる貴重な人。
　いちおう、山ガールや歴女みたいな感じに“政治ガール”と言う女の子たちも
いるらしく、インタビューが載っているが、少なくともネット選挙解禁と言うの
は、すでに投票率の高いお年寄りよりも圧倒的に若い人へのインパクトが大きい
はずで、いきなりは変わらなくても、少しずつは変わっていく予感を十分に感じ
させる。
　巻末でインタビューしている政治家の人選は、パーフェクトではないが悪くな
いだろう。谷垣さんに細野さん、柿沢さんに小沢さん。地味な人ではインパクト
に欠けるが、かといって橋下さんや安倍さん（その前に首相直撃取材は無理か
ｗ）みたいにアクが強い人を連れて来ると、この本の中立性が崩される。まあ中
立と言う意味では公明、共産も入れておいた方が良かったのでは、とは思う。