そもそも東アジア全体がくさくさした気分なのは、欧米の経済没落を見せつけ られて、そんな厳しい時代に激しく経済競争を戦う国々の憂鬱な気分の反映であ る。イスタンブールやブラジルのように、経済競争以前にまだ経済競争中毒にか ぶれていない国民が、自己責任などとカッコつけずに政府に堂々と自由と豊かを 要求すると言うアプローチは全くもって正しい。 中国はアメリカの後継者として新たな世界経済の覇者を目指しているが、続く ブラジルやロシアは決して世界は狙わない。むしろ自分たちだけの比較的小さな 経済圏（前者はMelcosur、後者は上海協力機構）を作って、そこで活性化しま しょう、と言うノリである（東南アジアにもASEANがあるが、日中韓が中心で運 営していると言う感じではない）。経済的交流が富をもたらす一方で富を奪うこ とも知った国々の行動であると思う。そういう世界観を残念ながら東アジアの 国々は持ち合わせていないようだ。