自殺者を英霊として顕彰することを提案

　よく、悩む若者に向かって「死ぬな、生きろ」的な説教をする大人は多いが、
すでに自殺してしまった若者について考察する議論を聞いたことがないので、私
案を述べる。
　今の時代、ブラック企業でこき使われてうつ病になったり自殺したりするの
は、徴兵された若者が戦場で敵に殺られるのと同等だと思っている。希望と違う
会社で命を削るような働き方しかできないのなら、それは赤紙で徴兵されたのと
大差ないだろう。
　そこで、ブラック企業での過酷労働で殉死した若者に対し、国家が顕彰するこ
とを提案する。つまり、警察官や自衛官が殉職するのと同等に扱うのである。彼
らだって“お国の経済発展”に尽力して亡くなったのだから、十分国家顕彰に値
する、と考える。
　さて、顕彰制度が実施されるとどうなるか。おそらく、直後は大量の自殺者が
出るかもしれないが、長期的にみると確実に自殺者は減ると考えられる。なぜな
ら、死後顕彰されると言う保障が若者の“希望”になるからだ。顕彰制度が若者
の精神的支柱として機能することが期待される。
　一方、ブラック企業は減るだろうか増えるだろうか。国家が顕彰するとなれ
ば、企業名が公表されるかもしれない、公表されなくても一定のプレッシャーに
はなると思われる。ただ、外資系には効果は小さいと思われるが、今後外資系企
業が増えるかどうかは分からないのでなんとも言えない。
　と言う訳で、やや冗談めいて書いてみたが、少なくとも、若者の自殺を負け犬
として卑下するなんてとんでもない、むしろお国の経済のために命を捧げたこと
に最高の敬意を表すべき、と言う気持ちは変わらない。