少なくとも日本国内においては、原発の立地は常に過疎地である。東京大阪名 古屋と言った大都市圏に建てられていないのはご存知の通り。財政が厳しい過疎 化の激しい地方に交付金をばらまいて“地方財政の活性化”の美名の下に原発が 地方各地に建設された。 その結果、地方財政は原発抜きでは考えられないようになった。少なからぬ評 論家が、原発は地方財政にとっての麻薬であることを述べている。これは明らか に中毒状態と言って良い。 人間がアルコール中毒の場合、本人がいくら「酒がなければ人生の楽しみがな くなる」と叫んだところで、医療の側はなんとかして患者を断酒させる。そして 患者たちはお酒以外の人生の楽しみを探す。地方財政も同じこと。原発がなけれ ば財政が回らない、と言う地方自治体の主張は、麻薬患者の訴えと同じなのであ るから、勇気をもって否定しないと、その地方自治体のためにもならない。ゆる キャラとか地元アイドルとか、今や地方が全国にアピールするアイディアはたく さんある。むしろこの時期に原発中毒を抜け出さないと、本当に地方が消滅する ことになる。