ワーグナー生誕200周年

　ニュースで昨日5/22がワーグナー生誕200周年の報道。その芸術性を賞賛する
一方で、歴史的にナチスのプロパガンダで反ユダヤ主義を煽った問題を現在も真
摯に議論するドイツ人に感嘆した。音楽と政治は別物として扱おうとする人も多
いが、そうではない、と主張する人たちに強く共感する。クラシック音楽学は純
粋な音楽理論を扱うようだが、ポピュラー音楽研究をしていると、流行り歌と社
会の動きが常に連動しているのは常識である。音楽に限らず、芸術一般、スポー
ツもそう。ナチスはベルリンオリンピックも政治利用した。だから私は、東京オ
リンピック以前にオリンピック自体廃止すべき、という主張をしている。
　更に私の場合、科学も政治利用されるものである以上、科学者にも倫理的責任
を負う必要があると説いてきた。もちろん、原子力ムラの住人のような私腹のた
めの利益工作をする連中は世間一般でもバッシングされるが、私はもっと根本的
な、アインシュタインやキュリー夫人すらも責任を問うべき、と思っている。
　現代の最先端の科学技術なんて金がなくちゃ何もできない。そこに政治性がな
いなんて言える訳がない。個人の趣味で世紀の発見ができる時代ではないのに、
科学者に責任はないなんておかしい。