私の紙面批評

内田樹ブログより。 

http://blog.tatsuru.com/2013/02/26_1232.php 

　体罰問題も原発事故放射能問題と同様、あっという間にメディア報道からは消
えてるなあ（PM２．５は中国が絡んでるからいつまでも報道し続けるのに）。私
はそれこそ桜宮高校以外の体育科も全部入試中止しろ、とか、柔道はしばらく国
際試合を自粛すべき（当然五輪誘致なんてとんでもない！）、くらいの重大な問
題だと思っているんだが。 
　個人的な思いはともかく、先生のおっしゃる「待ったなし主義」はスポーツ以
外にも日常生活に深く浸透してしまっていると思う。例えば企業求人なんかどこ
も「即戦力を求む！」と言う口調で、会社で育てようと言う余裕がない。中途は
即戦力で当たり前、と言うのは建前で、新卒がみな２、３年でやめていく現状
は、こうした金の卵を大切に育てようとしない企業の姿勢が反映したものだ。 
　そもそも待ったなし主義はマスコミが煽ったものだと思う。なぜか知らない
が、「資格を取らないとクビを切られる」とか「日経新聞読んで経済を勉強しな
いとサラリーマン落ちこぼれる」とか脅しめいたフレーズが並ぶ週刊誌が売れる
と言うのは私にとっては謎以外の何者でもなかった。こんな口調に慣れてしまっ
た日本国民全体の知性が一番ヤバいように思われる。

　で、ちきりんブログで体罰教育を暗に皮肉ったような記事が出ている。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20130224

　そりゃ「組織」にとっては民主的と言うのはある意味面倒でしょうね。体罰を
肯定する人はまさにこの発想なんじゃないかと。でも社会はそんな理屈では運営
は無理なのです。