グローカリゼーションの現在

　最近は地方都市も再開発と言うか、風景の均一化（一種のグローバル化）が進
んで日本らしい「故郷」のイメージは失われつつある。僕はかえって「地方らし
さ」が失われることこそが地方の景気衰退を引き起こす一因になっていると考え
ているが、逆に今日的なローカリゼーションもこういうお祭りを通じてがんばっ
ているな、と思う。ゆるキャラを筆頭に、ご当地アイドルグループ、ご当地グル
メ、ご当地戦隊ヒーローなど。これらに共通して言えるのは、その土地に行かな
いと見聞きしたり味わったりできないこれまでの地方の特産物と違い、容易にメ
ディアの電波やインターネットを通じて日本中に伝搬し、そのことによってご当
地の経済活性化を起こそうとしていること。 
　ネットが普及した現在においては、当然このアプローチは正しいと思う。しか
しその一方、これまでの名所旧跡が歴史や伝統の裏付けがしっかりあるのに対
し、こうしたゆるキャラやご当地グルメなどは、そうした伝統や歴史の裏付けか
ら全く切り離され、ある種の極めて今日的な「観光ビジネスモデル」があって、
それに地方独自の色づけをしてどう売り込むかが勝負となっている。 
　つまり、これは営業活動で作られた一種のブームであって、歴史や伝統に裏打
ちされた既存の観光スポットと違い、永続性に関してまだ疑問符がつく。こうし
たゆるキャラやご当地グルメから、次の展開が重要になるのではないだろう
か。 

■「バリィさん」がグランプリ＝全国８６５ゆるキャラの頂点−埼玉 
(時事通信社 - 11月25日 18:05)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=2234431