古き良き日本に戻ってはならない

　今回の総選挙で民主が負けることはほぼ間違いないだろう。しかし自民党の復
活となるかどうかは分からない、第三極の存在があるから。
　予想はともかく、これからの政治のお手本は古き良き日本に戻ることではな
い。アメリカ大統領選挙がそうだった。ミット・ロムニー候補はティーパーティ
と呼ばれる保守層支持の候補だったが、最後は現職のバラク・オバマ候補が選ば
れた。今のアメリカはもう古き良き時代には戻れない。アフロアメリカンやヒス
パニックを始めとした有色系が以前よりはるかに増えているからだ。と言うか、
オバマvsロムニーはまさに政策以上に人種の対決だったと言って良い（福祉をど
うするか、と言う論点などはもろに人種で意見が分かれる）。国民の構成が変
わったのだから、古き良き時代の政治なんか真似ても役に立たない、今の時代の
最適解を求めなければならない。
　日本も同じ。経済が右肩上がりで子どもが家族に２人はいて、老人を地域みん
なで面倒を見られた時代はもう来ない。少子高齢化、経済の停滞状況の中で政治
を模索しなければならないのだから、旧態依然とした政治をしようとしている自
民党が政権を取るべきではない。
　まあ心配しなくても第三極が自民に政権を取らせるとは思わないが、むしろ三
つ巴の選挙結果になったあと、問題のある合流の仕方をしないか、そちらを留意
した方が良さそうだ。特に、第三極は新保守とでも言うべき存在だから、彼らが
選挙後に組むのは民主よりも自民の方が高い。