領土問題摩擦に見る日中両国の未来

　今の中国の反日デモはご存知の通り若者中心な訳だが、あの光景はなんだかか
つての日本の安保闘争時代を思い出させる。若者が政治的な情熱を発散させると
ころはなんだかんだ言ってまだまだ中国に勢いがあることを感じさせる。もちろ
んそれは高い確率で挫折に終わるだろうか、日本の安保闘争だって挫折して、そ
して高度経済成長へ向かった訳だ。ただ、１つ付け加えるなら、中国の若者はす
でに天安門で一度挫折を経験しており、その後中国は経済成長した。二度目も同
じシナリオになるかは分からない。
　一方、日本は表面上は冷静な訳だが、ネット言論はひどいものがある。先ず日
本の若者はインドア（はっきり言えば引きこもり）傾向があるし、個人的にはむ
しろそうした荒れた言論の担い手は若者よりも中高年が多いと見ている。その一
方、反原発デモの中心的存在は現役を退いたばかりの団塊の世代だ。彼らは中高
年だが安保体験世代で左寄りなので領土問題には関心がない。いずれにせよ、領
土問題を国難と言っておきながら、この問題を引っ張るのは石原都知事や自民党
総裁候補など年齢層が高く、日本の将来を担う世代ではない。領土問題で揉める
ことの善し悪しを置くと、両国の若者の勢いの差をはっきりと感じる。