デンジャー管理を再考すべし

　私たちが経済活動＝リスク管理に専念できるのは、国家によってデンジャー管
理ができている前提があるからである。法による統治（＋警察の存在）によって
私たちは暴力の恐怖をミニマイズしている。交通事故の危険性からは道路交通法
などの法律が効力を持っている。ビルも少々の地震では安全なよう、建築基準法
が定められている。
　しかし昨今はデンジャー管理も十分ではなくなりつつあり、リスク管理での経
済成長が難しくなっている。１つは言うまでもなく福島の原発事故。もちろん地
震というデンジャーがこれまでの想定を超えたことから全て始まる。自然災害か
らの被害の最小化は進んできたが、特に地震については今後もこれまでの想定を
超える可能性が高いという予測。そこで原発を動かす危険性。
　津波被害からの復旧は自衛隊が大いに貢献した。自衛隊とはこれまで外敵のよ
うな軍事的デンジャーを想定された組織だったが、今日では更に自然災害という
デンジャーに対しても期待されることになる。
　軍事的にせよ自然災害からの防備にせよ、戦後デンジャーについてこれほど問
題が大きくなった時代はない。リスク管理の世界で生きている経済人こそ、今こ
そデンジャーについて深く考えるべき時だ。それを無視することは、家庭を省み
ず仕事に没頭し、子供が非行に走ってから後から後悔するような結末になる可能
性が高い。