帰宅問題

　昨日の爆風低気圧では交通マヒになりながら企業が早めの帰宅を促すなど、震
災や台風の教訓が生きたと見る評論が多いようだが、私は逆にこういう状況で皆
が皆帰宅に急ぐ状況は二次パニックを引き起こす可能性があり、相変わらず問題
だと考える。家族がいるかいないかで帰宅欲求は大きく異なるかもしれない（個
人的には独身のため、帰宅へのこだわりは弱い）。しかし震災では今回の低気圧
で自宅が崩壊することはほとんどなかった訳で、家族の安否という点では帰宅の
必然性は昨年の地震より低いと考える。
　風が強い、という状況では屋外に出ることが危険なのであって、屋内にいる分
には安全。その意味ではもっと帰宅を控える人が多くても良かったのではない
か。
　どうしても帰らなければならない事情の人もいるだろうし、災害の状況でケー
スバイケースだ。肝心なのはそうしたケースバイケースで柔軟に対応する判断力
を持つこと。思い込みで帰らないといけない、と思考停止せず、無理して帰らず
とも良いという、心の余裕、選択肢の幅広さを持つことが災害にあったときの重
要なポイントではないだろうか。
　まあ会社に残っていると余計な仕事をさせられてヤダな、という思いは私もす
るだろう（笑）。ただ、これって「災害時の対応の選択肢を選ぶ上で考慮すべき
要素」とは言い難い。逆にこういう観点で災害時の対応を誤るようならむしろ問
題だろう。