オレは神様だ！

　いまさら言わなくても読者の皆さんはお分かりと思うが、ここに書かれて
いることは個人的な“文章によるオナニー”なのであって、皆さんは私と言
う取るに足らない男のオナニーを覗き見しているのである。その意味では、
ご意見、ご批判は甘んじてお受けするが、真剣に「コイツ危険人物なんじゃ
ないのか？」などと思わないこと。

　さて本題。私は筋金入りの自己中心主義者だと思っている。もちろん実生
活では＜いちおう＞薄めてはいるが、基本的に他人の存在のことは考えてい
ない。
　高校のときに倫理社会で認識論には「唯物論」と「観念論」の２種類があっ
たことを覚えているだろうか。ほとんどの人が唯物論を信じているようだが、
私は断じて観念論者である。私が世界を見たり聴いたりして、初めて世界の
存在があるのであって、目をつぶったり耳を塞いだりすれば、そこに世界は
ないのである。
　「夢」の話の続きだが、なぜ私が夢を持たないのか、と言うもう一つの理
由は、夢を持つ必要がないからだ、と言うのもある。「私」が見たり聞いた
りすることで初めて世界が存在するのなら、間違いなく「私」は全知全能の
神だということになる。自分の辞書に不可能と言う言葉がなかったら、夢な
んて持つ必要は初めからないのだ。私がプロ野球選手になろうとしなかった
のは、野球に興味がなかった、と言うのもあるが、妄想の中ではプロ野球選
手に勝つことなんていともた易いことなのだから、がんばってプロ野球選手
になろうなんて思わなかっただけのことである。
　もちろん、今まで生きてきた過程の中で、挫折、苦労、悩みは多々ある。
しかし、自分に「想像力」と言う力がある限り、妄想の中に逃げ込んで、不
可能を可能にすることができるのなら、真剣に反省したり成長したりはしな
いのである。こんな事を書くと、相当のろくでなし野郎だと思われるかもし
れないが、私は逆に、「将来何々になりたい」という夢と「夢の中ではあん
なこともこんなこともできる」という妄想の間に優劣をつけることの方が間
違っているんじゃないかと思う。
　レイヴに関する本を読んでいると、「気持ちいいことをすることが罪悪だ、
と言う価値観との戦い」について語られることがあるが、それと同様、妄想
が罪悪だ、と言う既成の価値観に対して猜疑心があるのである。
　早い話、何でもかんでも多数決で決まってしまう現実世界って、私みたい
に常に少数派になりがちな思想の持ち主にとって生きずらいのだ。貴方が
「これは悪いことだ」と言っても、必ずしも私がその善悪の判断に納得が行
くわけではない。むしろ、納得の行かない常識の方が多いとさえ思っている。
それをいちいち変えて行こう、と言う大それた考えも昔は持っていたが、そ
んな疲れることをなんでしなければならないのだろう、と思ったとき、妄想
と言う現実逃避は結構正しいことなのではないか、と思ったのである。
　そんな訳で、私には友達がいない。それでさびしいとも思わない。なぜな
ら、「自分は神だ」という究極の選民思想の中では、他者の存在なぞ取るに
足らないものだからだ。今の時代、「友達は多い方がいい」なんて言ってる
奴が増えているみたいだが、私には理解できない。まぁその方が実生活上平
和ではあるのだけれど。