防衛施設庁の談合問題

　普段は政治家の汚職問題と言うのは個人的に苦手（？）な金
勘定の話題があるのでとっつきにくく、あまり正面切って批評
したことはない。ただし今回は防衛施設庁の問題としてちょっ
と関心がある。
　たぶん汚職体質の構造は他の事件とさほど変わらないだろう。
つまり談合と言う不正な形での入札、そして役人どもの天下り
構造。しかし今回は、「防衛省」昇格を目指している防衛庁、
防衛施設庁の中で談合が発覚した。役人と業者の癒着は癒着で
も、より政治的な防衛問題とも絡めて考える必要がある。
　つまり、「防衛省」への昇格は更にこうした談合の甘い蜜を
吸う業者たちに利することであり、だとすれば、昇格そのもの
が純粋に国防問題を論じたうえでの議論ではなく、談合業者の
差し金が裏で働いているのではないか、と言う疑問が出てきて
当然だろう。私は単なる素人評論家に過ぎないので、そこでこ
れら談合業者の実態を調査してやろう、と言うところまでは踏
み込めない。メディアやジャーナリストたちによる問題の深掘
りに期待するしかないのだが、これで本当に「国防」と言う大
義名分を隠れ蓑にしてきた防衛庁、防衛施設庁が、結局は税金
の無駄遣いをする役所であった、と言う証拠が出てくるのでは
ないか。中韓の動向をさも仮想敵であるかのように喧伝して国
民に防衛省昇格、憲法９条改正を承認させようとしているが、
ふたを開ければ役人や談合業者が甘い汁を吸う、悪しき官僚体
制の維持強化ではないか、と言う予感がしている。この問題の
全貌解明を強く望む。