なんだかなあ（指原莉乃HKT48移籍狂騒曲）

浜崎あゆみとか椎名林檎とか、松田聖子とかチェッカーズとか、海援隊とかシー
ナ＆ロケッツとか、他にも数え切れないほど全国区でしかもエンタメ史に残る人
材を排出している福岡でさえもこんな話で舞い上がっているのをみるのはかなり
残念。

さしこ移籍でＨＫＴにオファー殺到
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2057248&media_id=8

結局、ファンの側からすれば、どんなに地元からすぐれたタレント、アーティス
トを輩出しても、地元にいなければ意味がないと言うこと。

しかし一方で、アーティスト側からすれば、「地方から東京に出て行って一旗揚
げてやる」と言うモチベーションはすぐれた作品を残す上でたいへん重要な要素
だと思います。こうしたアーティスト側とファン側との思いのずれは何も今に始
まったことではなく、ずっと昔からあった。

しかし、かつてはファン側が我慢していたが、現在ではもうこういう我慢は誰も
しなくなった。例えばコスプレみたいなキャラクターなりきり行動なんて今では
珍しくなくなったし、AKBから始まったご当地アイドルも、より普通の人がス
テージに上がれる環境が出来てきて、素晴らしくても遠くからしか見ることが出
来ないファン側のジレンマはもはや過去のものになってしまった。

多分福岡と言う地は今後も優れた才能を輩出するでしょうが、ファン側がそれに
ついて行かなくなるので、今後はミリオンセラーなんて出てこないし（AKBのCD
は全部投票券で吊ってるわけでコンテンツの優劣とは違う土俵でミリオンセラー
を達成）、またこうした優れたアーティストの卵を立派な全国区になるためのモ
チベーションも弱まって足下をすくわれて行ってしまうのでしょう。残念ながら
そう言う意味でこれからの時代は「ものすごい才能に酔いしれる」と言う体験に
恵まれる可能性は以前より大きく縮小してしまいそうな気がします。