集団アイドルは日本を救うか

　集団アイドルがアニメのような輸出文化産業になる期待もあるが、今回は別の
視点。
　僕がアイドルヲタとして一番活動していた全盛期は2000年代のグラビアアイド
ルの時代である。それは、秋葉原のイベント会場で会って、カメラ撮影して、
しゃべることがメインだった。1990年代の安室ちゃんやSPEEDなど沖縄アクター
ズスクール出身アイドルや少し遅れて国民的現象になったモーニング娘。全盛期
に比べると“おとなしい”時代だったのではないかと思う。世間一般の言い方で
は“癒し系”の時代とも言える。というか、写真集やDVD、トレカなどイベント
参加のための購入物が高価で、ファンが社会人中心で学生はコミック誌グラビア
で我慢していたという意味であまり裾野の広い文化産業ではなかったかもしれな
い。
　現在の集団アイドルはＴＶタレントとして完全に認知され、多少のマナーの
なっていない輩はいても裾野が広がっているという点では健全なのだと思う。
　数字データなしでこんな推測をするのもなんだが、グラビアアイドルは雑誌な
どで完結してしまうため引きこもりを許すが、集団アイドルは彼女たちと一緒に
騒いでナンボなので引きこもりを外へ引っ張り出す。WiiのCMなどでは家族でAKB
を唄う場面もあり、ヲタの後ろめたさや引きこもりなイメージは過去のものに
なっている。
　グラビアアイドルにせよ集団アイドルにせよ、どちらにせよ昔みたいな“ス
ター性”は今のアイドルにはない（若手期待株としての新垣結衣や武井咲などは
完全に女優というカテゴリーでアイドルの文脈からはほぼ切り離されているよう
に思える）。だったら静止画がフィールドのグラビアアイドルより動画がフィー
ルドの集団アイドルの方が元気な分良いのだろう。