放送事故ギリギリタレントの可能性

　今日、テレビもラジオもネットとの親和性を模索しないと生き残れない時代に
なった。換言するなら、メディアの双方向化と言うことに対して、メディア側に
即興性が求められて行くだろう、と言うこと。もちろん即興性はしくじれば視聴
者の反感も容易に買う可能性があり、諸刃の剣と言える。
　かつては放送事故と言えば卑猥な放送禁止用語の使用だったり反体制的な発言
と相場が決まっていたが、今日のメディアの双方向性による放送事故の可能性は
限りなく広がっている。例えばNHK有働由美子アナのワキ汗に対する視聴者から
のFAXなど、視聴者が番組に以前よりも積極的に参加することで放送事故の可能
性はグッと広がった。
　放送事故ではないが、先ずは山本太郎の存在はテレビとネットと生活（政治）
とをシームレスに繋いだタレントとして記憶されて良い。彼の反原発発言＆アク
ションは本来極めて左翼（政治思想）的だった反原発をお茶の間主婦にも共感さ
せた功績は大きい。その山本太郎が先ほど参照した有働由美子アナの番組「あさ
イチ」によく出演するのも偶然ではなく、今日的なメディアの即興性をスタッフ
が理解しているからだと思う。山本太郎とよく対比されるのが反韓流発言で話題
になった高岡蒼甫だが、彼の場合その後の継続的なアクションがなく、偶発的な
要因が強い。
　女子タレントの即興性も興味深い。嗣永桃子の「イラッとする」アイドルキャ
ラはかなり昔から醸成されたものだが（ラジオパーソナリティとして即興性が鍛
え上げられた）最近ようやくテレビ認知されてきた。明らかに「Berryz工房の嗣
永桃子」と言うハロプロ！系グループアイドルの一員と言うより「ももち」と言
うピンキャラで受け入れられているのが今日的だ。あやまんJAPANも放送事故ギ
リギリのパフォーマンスが期待される。あやまんジェットコースターネタをやっ
たらスカートの中身がカメラに確実に入ってくるし（まだ生放送ではやってな
い）、先日のいいともで生野陽子アナの乳もみもすごかった。女子アナに放送事
故的パフォーマンスは期待できないし、これまでの女子お笑い芸人にあった笑い
とは別の可能性が生まれて来つつある。カワイイルックスに毒のある発言、と言
う意味では、タレントではないがまんべくんもこうした新しいキャラの可能性と
失敗の前例を提供した。
　もちろんロックバンドのライブ出演も昔から放送事故瀬戸際の緊張感があり、
現在でも有効である。。神聖かまってちゃんは政治性こそ薄いにも関わらず、破
壊的パフォーマンスは今でもロックにとって有効なパフォーマンスであることを
証明した。
　テレビコンテンツはこのようなネット的即興性に強いタレントたちによって今
後変わって行くだろう。即興性は失敗もリアルタイムに返ってくる厳しさはある
が、そこを乗り越えたら新たなテレビの可能性が広がるだろう。