人間とは戦争をする動物？

　全くもって今の世の中ほど酷い時代と感じたことはない。どうやら
米英軍のイラク攻撃は終結したようだ。それはいい、次にマスコミが
追いかけているのは“パ○ウェー○研究所”なる白装束集団。第二の
オウムだ、とまくしたてて一般誌からゴシップ系雑誌まで関係記事が
見つからない日はない状態。確かにオウムは歴史に残るほどのとんで
もない事件を起こした。だが白装束集団はまだ“怪しい集団”の域を
出ず、凶悪犯罪を犯したわけではない。その意味では必要以上に叩く
のは信仰の自由を奪っていることになると思う。
　そもそも、白装束集団を叩く暇があったら、なんでブッシュ大統領
を叩かないのだろうか。むしろブッシュ大統領こそ、実際に戦争と言
う過ち（実際には確信犯）を犯したし、開戦前から「戦争する」と宣
言していた。“怪しい”どころではなく間違いなく戦争する気だった
この男を誰も止められないというのはどういうことなのか。
　今回の戦争を目撃して、あらためて「人間とは戦争する動物だ」と
言うことを思い知らされた。つまり、個人的には「戦争反対」と叫ぶ
こと自体白々しいことだ、と言う絶望感にさいなまれた。
　この言い方は戦争することを人間の本能だと勘違いする人がいるか
もしれないが、そうではない。人間は戦争する動物として“教育”さ
れるのである。今更ながらだが、桃太郎も、一寸法師も、まだ物心つ
かない幼児に戦うことを全面的に肯定する洗脳をしてしまうことを思
い出す。もちろん、ウルトラマンも仮面ライダーもだ。何と言ったっ
て、鬼や悪党が、なぜ“懲らしめなければならないほど悪い”か、と
言うことについて、殆ど説明がされない。ブッシュ大統領はまだ「イ
ラクは大量破壊兵器を持っているに違いない」と言う大義名分がある
だけまし、と思えるくらい、こうした童話や子供向け番組は理屈抜き
の暴力番組である。
　ブッシュが戦争出来たのは、当然の事ながらアメリカ国民が支持し
たおかげである。だからアメリカ国民はバカである。だがアメリカ国
民だけがバカなのではない。日本人だって、アメリカを支持した小泉
首相をどうすることもできなかった、と言う意味でバカである。パ○
ウェー○研究所も、タマちゃんを捕まえたりして子供みたいなことす
るより、戦争が始まった時に「これは人類の大いなる恥だ」とか叫ん
で、集団焼身自殺でも図れば武士道的美学観から大衆の支持も少しは
得られたと思うのだけど（笑）。