男はか弱い生き物である。それは現代社会ならではの現象？いや、きっと昔 からそうだったに違いない。ただ、今の時代はそれが見えやすいということな だけだ。
少年時代の男子は惨めだ。今はそうでもないかもしれないが、中学高校なん て運動部に入ってなきゃ男の子じゃない、みたいな風潮があって、なんだか気 が進まないまま運動部にずっと所属していた。この頃は当然ルックス優先で恋 が生まれるから、モテナイヤツはいつまでたってもモテナイままで、笑えない 努力をいくつもしたりするものである。
大人になったらどうだろう？「社会的責任」という美名の下に、仕事の出来 るヤツが偉く、出来ないヤツはダメ、という世界に放り投げられる。オイラも キャピキャピＯＬみたいにアフター５は好き勝手に遊びたいよ、と思いながら 残業していた。そもそも男子は出生時死亡率も高いし、武士社会や戦争時代は 討死にという美名の下にどんどん死んでいったのである。
そこで僕は思った、僕は男らしいなんて思われなくても構わない、羽を持っ た鳥のように自由に生きることの方が楽しいんだ、ということを。
今の男女平等の社会ですら、デーとコースを決めレストランのお勘定を払う のは男の役目である。別にケチ臭い根性でこういう事を言っているのではなく、 他にやりたいことのある人間が気を遣ってやる必要はないことなのだ、と思っ ている。仕事は金持ち美女のツバメにでもならない限りやめるわけにはいかな い。しかし結婚だったらいざと言う時は捨てればいいのだ。後から後悔しない かって？僕はしきたりを「守って」後悔したことの方が「破って」後悔したこ とより多い人間だからね。
＃この辺の思想は、パトリス・ルコント監督の映画なんかを観ると分かっても ＃らえるかと思います。
「モテナイ男はダサイ」という世間の価値観について、ある時、ある見方が ひらめいた。今の時代、恋愛は勉強と同じように偏差値で輪切りされたものな んだ、ということ。恋愛することはもはやそれだけで社会システムの一部にな ることであり、社会システム嫌いの僕には居心地の悪いものだと言うことが分 かった。むしろ新興宗教のように恋愛対象をイコン化し、敬い崇めることの方 がまだましな文化に思えた。言い訳かもしれないが、それゆえアイドルの追っ かけに後ろめたさを感じないようになったのである。
女性の皆さんにも、恋に命懸け、なんて世界にいる人は早く抜けた方がいい んじゃない、ということをお節介ながら言わせてほしい。恋を捨てたら仕事？ なんて疑問は古いです。生活力、という問題はあるにしても（これは男性とて 同じ）、趣味に生きる、という生き方が僕には一番人間らしく思えたりするなぁ。 あなたもSMAPやTOKIOの追っかけでもしましょう（笑）。ま、この辺（という か、全体的な誇張部分にも）は冗談ですけど。
<last update: 96.05.18>