親子ゲンカ


なんか最近、親と喧嘩することが多いんだよね、まぁ、早く結婚しろだの、呼 んだときにはちゃんと返事をしなさいだの、どこにでもあるくだらない喧嘩で ある。で、何でそんなどこにでもある親子喧嘩をこんなところでネタにするの かというと、ここに私が目上の人一般を信用しない原点があるから。  普通こういう事に言い返すと、「屁理屈を言うな!」と返されるのはよくあ ることですね。でもそれって、相手の思考停止を証明する一言なんだよね。こっ ちは考えて行動してるんだぜ、いくら年上だからって、常識を鵜呑みにしての 判断をそう簡単に受け入れられるわけないだろ。だったら年上らしく経験談を 語ってもらいたいものである。ところが、親ってのは経験談を話したがらない よね、くだらないプロ野球話なんか延々と続けるくせにさ。

 なんかこういう親を見て、長い人生経験で学んだことが「長いものには巻か れろ」ってことだけなのか、と思うと情けなくなる。すごく世間体を気にして さ、すげえこじんまりとまとまっちゃってるっていうか。別に僕が大物指向、 と言うわけでもないんだけど、周りの目ばかり気にして生きるのは冗談じゃな い、と思う。つまり、自分らしく生きる、と言う哲学において、親から学ぶこ とは何一つない、ってことだ。

 おそらく僕と同い年の人でも、そろそろこの辺の親の言っていることがわかっ てきた人は少なくないと思う、もう結婚したり子供の親になった人は多いだろ うからね。多分僕はそういう人たちとは一生意見が合わないだろうな、根本的 に「生きる」と言うことの意味が全然違うんだもの。

 僕は今まで自分の染色体を次の世代に残すとか、そうでなくとも人から尊敬 されようとか、人の役に立とうとか、そんなことはあまり考えないようにして きた、そう考えること自体が僕にはとても傲慢に思える、だってそうでしょ、 他の動物がそんなことを意識して行動を決定する事は決してないのに、人間だ けがそんなことをするのはとても汚らわしいこと。僕はやはり、明日死んでも 後悔しないことを第一に考えて行動するね。世紀末だから、っていうのもある けど、なんで30数年もくだらない人生やってるんだろう、なんで17歳くら いで死なせてくれなかったんだろう、って考え。地上に出てきて1週間で死ん でしまうセミとか、生殖活動を最後に死んでしまうスズキとかの生き方に憧れ ているのに、子供は作ってもその顔なんか拝みたくないな。一人で生きていっ てもらいたいよ、他の殆どの動物がやっているようにさ。

 きっと、親が子供に色々と教えるから、人類ってのは進歩してきたのだろう。 だけど僕個人に関しては、人類の進歩なんかに何の意味も感じない。それこそ 「命は地球よりも重い」なんて話にはすごく懐疑的で、雑草のように踏んづけ られながら生きるのが命を授かったもの全ての運命なんだからさ、生きること なんかを聖域化して欲しくないんだよ。僕はそんな聖域化をやめてくれた方が よっぽどみんながちゃんと生きることの価値について真剣に考えるだろうから、 いいことだと思うんだけど。親が子供の面倒を見るっていう根本的なことに、 僕は胡散臭さを感じてしまうんだよ。早くまた一人暮らしにもどらなきゃ。