耐震偽装問題と株誤発注問題

両者の問題は非常に似通った問題だと思う。

1.「誰が悪者か？」と言う犯人探しで日本中が大騒ぎしている。
2.このような事件にもかかわらず、相変わらずマンション建設
　はあちこちで進んでいるし、株価に至ってはバブル再来かと
　思うほどの景気のよさ。

　1.については、４月のＪＲ宝塚線脱線事故のときも大変だっ
たよなあ、と思い出す。まぁ責任を取るべき人にとって貰わな
いと困る、と言うのは当然なのだが、例えば総研の内河所長の
悪代官ぶりに比べ、姉歯元建築士なんかはとても普通の人のよ
うに思える。これ、ナチス裁判のアドルフ・アイヒマンに似て
ないか？（ヒトラーのカリスマ的戦争犯罪者のたたずまいとは
まったく正反対に、アイヒマンは自分の役割を淡々とこなした
結果がホロコーストの悲劇を生んだ、と言う史実）彼個人の裁
きとは別に、こういう普通の人が犯罪に手を染める世の中の不
気味さをもっと考える必要を感じる。

　2.についてもそうだ、みんながマンションを欲しがってる、
みんなが株価高騰を望んでる、そんな世の中の流れの隙間から
悲劇が起こったように思える。普通の人が有罪だとは言わな
い、だがそれにしても、『一般庶民』と言うものがこうした
犯罪や過失を促す『怪物』であることを強く感じないだろう
か。

　つまり、誰か個人をつるし上げにして片付く問題なのか？
と言う疑問。そしてこうしたゆがんだ事件が起きる状況で、
景気がよくなる、と言うことはいったいどう言うことなのか、
果たして日本の将来にとっていいことなのか、そんな疑問を
感じる。