独裁的な共産主義者

　人間は誰でもある程度自己中心的だが、それをいくつかのレベルに分けられる
と思う。
・大変非利己的な人
　占いの言うことを信じたり、友達の言うことを信じやすかったりする人。一般
的には周囲の人を愛し、いわゆる道徳的にいい人。
・ちょっとだけ利己的な人
　自分磨き、自分探しに熱心な人。友達は少なくはないが、裏切る時もある。
・大変利己的な人
　常に世界を変えようとする人。友達はいない、というより、周囲を下のレベル
の人間だと思っている。
　さて何が言いたいかと言うと、私のようなサヨクはおそらく「大変利己的な人」
が多いのではないかと思う。プロレタリアート独裁を唱えたのも、むべなるかな、
である。歴史的にも、ソ連ではエゴイスティックな“粛清”が繰り返され、独裁
的な残忍さが共産主義の代名詞になり、多くの人たちから共産主義が嫌われるよ
うになった。
　だが世界を変えられる人はかくのごとくエゴイスティックな人でなければなし
得ない。自分をとことんまで信じきれるエゴイストでなければ、世界は変えられ
ない。いや、ウヨクだって政治を回せるような強力なリーダーシップをとるには
多分強烈なエゴイズムが必要だ。
　したがって、私は“道徳的にいい人”になりたいとは思わない。できることな
ら世界一のエゴイストを目指し、世界を変えてやりたい、と常に思っている。い
や、そんな大きな夢ではない、真のエゴイストになること、これだけでも大変厳
しい道を乗り越えてゆかなければならないのだ。自己顕示欲をとことんまでそぎ
落とし、我が道を行く姿勢を貫くことは並大抵のことではできない。そして、世
界中の誰もが“独裁者”になれることが本当の世界平和ではないか、と考える。