星のお姫さま＠下落合TACCS 1179

　竹内のぞみさん久々の舞台。これまでは時代劇など渋めのシリアス劇が多かっ
たが、今回はダンカンさんの率いる「東京サギまがい」に客演。そんなわけでの
ぞみさんの事務所にチケット予約しても満席と言われた、そんなわけでもしかす
ると見れない、という賭けの状態で下落合・TACCS 1179へ。この劇場、公式サイ
トがなく、他の公演紹介ページにあったヴェニューの住所からマピオンを使って
地図を取得。行ってみると駅からすぐ分かる分かりやすい場所だった。なかなか
新しい内装で最近できた劇場と分かる。そしてそれ以上に、やはりたけし軍団主
体のコメディとあっていつもののぞみさんの舞台に比べると客層が若い。なんと
か開演直前にチケットを入手することができた、社長さんありがとう(^o^)。中
に入るとキャパは１００人入るかどうか、と言った案配、小さい劇場に満員の観
客。前説のお兄さん、緊張しながらもクスッと笑えるようなトーク。
　さて開演、先ず冒頭の人形劇で一気にファンタジーの世界へ引き込んでくれる、
これはどうやら純愛ストーリーのようだ。で、そんなロマンチックな人形劇の
あとに笑っていいとも的ショータイム。更に回転ステージは４畳半アパートの貧
しいカップルの登場（ここでのぞみさん登場）。前半はそんな感じで幕間につな
がりがなく、オムニバスコントなのか？と思いながら見ていると、なるほど、う
まい具合に２つの並行したストーリーが交わりを見せる展開。
　メインは笑いなのかもしれない、ちょっと濃厚でちょっとノスタルジックな笑
いはあまりテレビウケはしなそうだが好きな人は好きそう。でも伏線でいくら笑
いをやっても、これは癒し系の純愛ドラマ、と言うのがオイラの印象。ほとんど
の登場人物が笑いの側でドラマを回す中、主人公とそのヒロインであるのぞみさ
んの二人が純愛ドラマ側の展開を引っ張って行く。昭和テイストのちょっと地味
なファッションが意外とお似合いでいい感じ。
　それにしても、後半でのちょっとしたどんでん返し的展開が心憎い。冒頭の短
い人形劇にも同様のどんでん返しが男の側にあったが、今度は女の側、すなわち
のぞみさん演じる典子にある。そして一気にエンディングへ、ファンタジックな
物語で心で笑うことができれば、下手なクリスマスファンタジーより心温まる物
語として楽しめる。
　終演後の舞台挨拶、狭いステージなのにこんな大人数の役者が出演してたのね。
基本的にどの役者もコメディアン指向だろうと思う、その意味では芝居よりも
生き生きと（つまり観客をいじりながら！）笑いを取ってきますね。芝居には登
場していなかったダンカンさん、脚本＆監督として最後の挨拶に登場、なんか銭
湯の番台にいるオヤジみたいなまったくもってまったりとした存在感がスバラシ
イ。年の瀬にちょっとほのぼのさせてくれる舞台でした。のぞみさんお疲れさま、
あと日曜までがんばってね。