「神と女とアナーキー」第５幕：再びデモ会場

反大統領デモは広がりを見せ、いよいよ１０万人規模に達する。ＡもＢに倣って
火炎ビンをリュックに隠し持って参加。
神学部研究生が革命理論をアジ。

「大統領は民意で選ばれたにもかかわらず、自らを神からお言葉を神託された預
言者だとのたまわってはばからない。このような暴君は決して許すことが出来ま
せん。今では選挙すらも堂々と票数を権力で操作してしまっている。独裁君主を
力づくでも政権の座から引きずり降ろしましょう。」

大衆拍手。そこへ現れたタツヤ。泥瞑している。

「なぜ女は僕を信用しないのか。僕を信用しないのは僕が神じゃないからか。
だったらオレが神になってやる。」
「預言者は彼ではありません。ウソ偽りの預言者には重い罰を与えなければなり
ません。大統領に死を！」

異様な盛り上りを見せるデモ会場、アジテーターが大統領の肖像が描かれたプラ
カードに火を放つと会場の興奮は頂点に。アジテータに駆け寄るタツヤ。燃え盛
るプラカードを奪い取り、天に向けて空に文字を描くように振り回す。

「私が預言者だ、大統領を倒し、私が諸君を正しい道へと導くのだ！」

彼のよく通る声のアジに思いがけないオーラが発せられる、民衆の興奮は更に勢
いを増す。

「サナエ、お前に私の予言を託してやる！」

叫ぶやいなや、タツヤは近くに板複数の若い女性にプラカードの非を向ける。火
だるまになった彼女たちの地獄絵に逃げ出す人々。だが、将棋倒しになり惨劇に
輪がかかる。

警官「騒ぎをやめなさい。騒いだものは逮捕します！」警官の言葉に荒れ狂うデ
モ参加者、警官たちの暴力が惨劇を更にひどくする。
タツヤは炎に包まれて倒れる女性に、隠し持っていたバタフライナイフで更に頭
部や手首を切り落とす。
「預言には生け贄が必要だ！」

荒れるタツヤに警官が襲いかかる。悪魔の手先になったかのように、棍棒で殴り
続け、頭蓋骨は破壊され、目玉と脳みそが飛び出す。

消防車が到着した。焼け焦げた人たちに容赦なく冷水を浴びせる。もはや彼ら彼
女らの命は問題ではなく、延焼を食い止めるためだけの消化作業であった。そん
な暴挙の消防士たちにデモ参加者が襲いかかる。だがその後ろに控える警官た
ち、１０万人の大規模デモが阿鼻叫喚の地獄絵に。

　END