「神と女とアナーキー」第４幕：男が女に手紙を書く

呆然としていたタツヤもようやく落ち着き、サナエによりを戻す手紙をしたため
る。

「サナエへ。オレが悪かった、キチンと謝るからもう一度会おう。ただ、２人は
もっと気楽な関係でいていいと思うんだ。お互いが思いやるべき時は思いやっ
て、それ以外は気づいたらそばにいる、そんな空気みたいな関係が良いと思うん
だ。楽な関係で、いつまでも一緒にいよう。　タツヤ」

サナエはタツヤの真意を確かめるため電話をかける。

「タツヤの手紙ウレシかったよ。私も言い過ぎたかもしれない。でもお願い、２
人の未来を一緒に考えようよ、アタシ任せにしないで。」
「オレも悪かった。明日はオレも一緒に部屋探し付き合うよ。」
翌日、待合せ場所にタツヤは来ない。
サナエ「タツヤ、今どこにいるの？アタシもう不動産屋の前で待ってるよ。」
タツヤ「ゴメン、急に用事が出来た。」
サナエ「そんな、、、約束しといて直前でそんな言い訳ひどいわ。」
タツヤ「そんなこと言われても大切な用事なんだ、仕方ないだろ。」
サナエ「身近な人の不幸でもあったの？大事な用事って何よ？言えないなんてお
かしいわ。」
タツヤ「君には関係ないことだ。」
サナエ「分かったわ、もうタツヤとはおしまいね。」

女に電話を切られた男、自分に非があるとは言え、不条理な恋の終わりになす術
もなく天を見上げる。

　第５幕。