「神と女とアナーキー」第２幕：喫茶店で会話するカップル

喫茶店で会話するカップル。女がややヒステリー気味に別れ話を切り出す。男は
煮え切らない態度で女の言葉を聞いている。

サナエ「どうして私たちの部屋探しにきてくれないの？私一人で決められるわけ
ないじゃない？忙しいならキャンセルして別の日を設定するのが筋じゃない？な
んで［お前一人で決めてくれ」なんて投げやりな態度なの？もう私と一緒に暮ら
す気がないのね？」
タツヤ「そんなことはないんだけど、、、なんか面倒臭いんだ。将来に向けて計
画的にコツコツ、ってのが苦手なんだよ。」
サナエ「それはおかしいわ。本当に私のことを好きでいてくれたら、２人の幸せ
な未来を思い描くものでしょう？今が楽しければそれでいい、というのは、愛
じゃなくてただの遊び、そう言うことなんでしょ？」
タツヤ「そんな説教臭い話をしなくても良いじゃないか。僕は君が好き、これま
でも、そしてこれからもずっとそれは変わらない。それだけじゃ満足できな
い、ってことかい？」
サナエ「そうよ、未来を思い描くってのは何よりも愛の証になるのよ。未来を思
い描かないのは愛がなくなったと言っているのと同じだわ。私たちもう終わり
ね。」

自分から切り出した別れのセリフにスイッチが入ってしまいハンカチを取り出す
サナエ。涙を拭いながら席を立つ。憮然とした表情で黙ったままのタツヤは追い
かけることもせず、衆目を浴びたテーブルにひとり取り残される。

　第３幕。