[DISKREVIEW] Stephane Pompougnac, w-inds., 川嶋あい, KARA, Keitaman, 制服向上委員会, Buono!, 神園さやか


<2011/07/29(Fri)>
・Stephane Pompougnac / Hotel Costes 14
 震災後に聞くと、ステファン・ポンプニャックのセレクトはオシャレと言うよ
り癒しに聞こえる。オシャレと言うのはお金がかかる以上に時間がかかる。つま
りその人の人生を投影する。私たちがすべてを流された後に中身のない応援ソン
グを聴くことより、誰かが長い間かけて築き上げてきた人生の投影を耳にするこ
とで、まだ本当にすべてが失われた訳ではない、と思い直すことができる。

・w-inds. / 10th Anniversary Best Album - We Sing For You
 アイドルアーティストグループがかつて10年もトップクラスで活躍した例が
あっただろうか。ジャ○ーズの場合はバラエティ番組に出たり俳優活動をしてみ
たり、でメディア露出している。モー○ング娘。やA○B48もメンバー交代、芝居
もやるしサブグループ結成などで常にメディア上で話題作りを続けている。とこ
ろがw-inds.の場合、そうした小手先によらずほぼ音楽活動一本で10年やって
きた。これは奇跡に近いことだ。しかも東南アジアにも進出している。K-POPが
日本進出してくるまでに成長してきたのはひたすら日本を真似てきたからであ
り、そのオリジナルである日本が長期間活動しているユニットが少ないのは残念
だが、彼らがそんな生き馬の目を抜く日本のアイドルエンタメ界を勝ち抜いてき
たまごうことなき勝者。そんな彼らの10年間を振り返るアルバム。
 声変わりする前の慶太のボーカルが何とも初々しい。それ以上に、常に音楽的
に変化をし続け、楽曲や振付師などのサポートを得ながら、10年間ずっとトッ
プアイドルアーティストでやってきた彼らの姿があらためてよく分かる。

・川嶋あい/My Favorite Songs -WING-
 天涯孤独だった(幼児の頃は児童養護施設に預けられ、養女となった後も養
父、養母と死別している)川嶋あいちゃんがセレクトしたカバーソングは、やは
り“生きる勇気”を与えてくれる曲が中心。彼女が厳しい境遇の中でここまで
アーティストとして成長してきた軌跡そのもの。あいちゃん自身、関西淡路大震
災被災者支援活動を今でも続けているし、その強さを支えてきた楽曲たちは被災
者のみならず、全ての孤独を抱えながら生きていく人たちの力になるに違いな
い。

・KARA / GO GO SUMMER!
 恵比寿マスカッツも80年代ユーロビート調の曲を出したけど、KARAはパラパ
ラで。なんつーか、日本じゃここまで屈託なく明るくなれる感じじゃないから、
隣の国からこれだけ夏っぽい曲が来るとスカッとするな。5人の若さ溢れた前向
きさもまぶしい(オヤジ目線ですまぬ、というか、オヤジ目線ではAKBよりK-POP
の方が受け入れやすい訳で、実質的なファン数はAKBよりKARAの方が多いと思
う)。

・Keitaman / ジャズィング パート2
 マイミクさんのパーティのレギュラーDJ、Keitamanがコンパイルしたジャズ
ミックス。初心者が聞いても楽しいし(ジャケットのような茶化し方が楽し
い)、上級者に向けても決して半端なネタは使ってない不思議なポジションにあ
るミックスCD。MCはもちろんあの(ry

・制服向上委員会/うちまたブギー
 イヤ−、歌詞がスゴい!さすが「清く正しく美しく」で19年続けてきたアイド
ルユニットはひと味どころかふた味もみ味も違う! 
 先ず標題の「うちまたブギー」、うちまたでいじめられている子たちへの応援
ソング。これは大人には分からない世界だけど、小中学生にとっては深刻なんで
しょう。 
 2曲目「君と救急車」、自分が怪我をして看病される人への初恋ストーリー。
他愛ないのかシリアスなのか訳分からない(まぁそんな大けがではなさそうです
がw)。 
 そして極めつけは3曲目「TVにさようなら」、まだ地デジ化されるから皆さ
んご注意、と言う内容なら地デジカ君にも応援してもらえそうだが、なんとTV
なんてつまらないからこの機会にTVにさようならしようと言うもの。明らかに
TVに出演させてもらえないことへの恨み節じゃん!それをさらりとアイドル
ポップスにしてるのがスゴい!!!これならTV業界ではタブー視されてる東電
批判が怖くないよね。ガンバれSKI!!! 
 更に驚いたのが「うちまたブギー」の作曲が元頭脳警察のPANTA!もうこのユ
ニットのカオスっぷりにメロメロですw

・Buono! / 夏ダカラ!
 表題曲はパンチに欠けていてあまりピンと来ないんだけど(やっぱりボーノ!
には昔みたいにロックなテイストをもっと前に出して欲しいな)、カップリング
のIce Mermaidがちょっとアラビアンなメロディとオトナっぽい女を感じさせる
歌詞、そしてももち姫の強気な歌い方がカッコイイ。

・神園さやか/青春は輝いて c/w 花ぐるま☆21
 ファン向けにドーナツ盤アナログレコードでリリース。「青春は輝いて」は冒
頭に語りが入っていかにも70年代アイドルポップスな感じ。個人的には「花ぐ
るま☆21」がタマラン。このアイドルディスコポップス、キュートでポップな
感じがハートにドキューンと来ますよ(笑)。