[DISKREVIEW] Buono!, 杉本有美, 恵比寿マスカッツ, ライアーゲーム, ストウタカシ, 長谷川録司

・Buono! / We are Buono!
　先週聴いた時は歯痛がひどくて感想どころではなかった。今はボーノ！のライ
ブから帰って来たばかりでもあり、感想を書くなら今しかない、と言う感じ。
　とにかく、若さ弾けるガールズロック一直線、脇目も振らず飛ばしまくる桃
子、愛理、雅の３人の青春突っ走りっぷりはホントに清々しい。
　ライブを体験することで、このアルバムのコンセプトと言うか、物語が見えて
くる。アイドルながら、バックバンド、ドルチェを従え、本格的なスタンディン
グライブをワンマンでやる、そこまで来た彼女たち３人のプライドと、等身大の
素顔とがバランスよくミックスされている。ベリーズ工房やキュートの片手間で
やっていたら、アルバム３枚出せなかったはず。そんな思いがラスト曲「We 
are Buono!」に凝縮されている。カッコイイ。

・杉本有美／ハルコイ
　正直、有美ちゃんのデビューシングルがこんなステキなナンバーになるとは創
造していなかった。これまでもゴーオンジャーの中で「夢の翼」だったり（これ
は本人歌詞書いてるので別格だが）、Ｇ３プリンセスだったり、魔女っ子cluvで
キューティーハニー歌ったり、企画ものの歌唱が何件かあって、満を持しての本
格デビュー。音楽番組「ミュージャック」の司会をつとめていたと言うこともあ
り、僕らが見えていなかったところで実はすごく時間をかけて進められたプロ
ジェクトなんだろうなあ。DEPAPEPEさんが作った曲のさわやかさと言ったら、ア
イドルに興味のない人にも自信を持って進められる楽曲だし、そして２０日のお
披露目ライブではボサノバ調のアコギをバックに生歌、カラオケでなくしかもレ
コーディングと違うアレンジでライブしちゃうなんてかなり力入ってるな、と思
う。これからの彼女の歌手としてのキャリアにも大注目。

・恵比寿マスカッツ／バナナ・マンゴー・ハイスクール
　とりあえずやっぱりオリジナルバージョンがいい。これを聴くと「おねだり！
マスカット」のエンディングだなあ、と言うシグナルになってるから。AKB48や
アイドリング！など集団アイドルパフォーマー全盛期のアダルト女優（一部アイ
ドルもいますが）からの返答がこれ。まぁ全国的にブレイクしてる彼女たちと勝
負してもしょうがないけど、酒の肴にいじれるキャラが揃っているこっちの方が
個人的には楽しいです。

・キラキラ・魔女っ娘CLUV
　まぁこの手のアイドルコンピレーションは今までもよく出て来てた。自分は杉
本有美目当てだが、そういう風に参加アイドル目当てで聞く人と、実際にアニソ
ンナツメロコンピとして聞く人と２通りいるのだと思う。
　正直、僕は後者の聴き方はできない。先ず僕の中に「ナツメロ」と言う概念自
体が存在しないし（なんと言うか、「時代を超えて残る楽曲」はそもそも消える
心配がないだけにレア性から来る＜必死さ＞を自分の中で起動できないｗ、Ｂ級
な今時ポップスの方が明日はこの世から消える危機感があるから必死になれる、
そしてこのコンピもＢ級性が大事）、今の時代にテクノポップを聞くとPerfume
の二番煎じみたいでゲンナリする。
　しかし後半のテクノポップではないテクノになってくると話は違う。特に篠原
ともえｖｓChristopher Justがカッコよすぐる！他のＢ級地下ドル臭とは完全に
一線を画している、さすがシノラー。
　そして有美ちゃんもカッコイイ。矢野博康さんと言うのは寡聞にして知らない
のだが、分厚いトラックとトランスっぽいシンセ音との組合せがいい。
　２枚目でまたテクノポップに戻っていってちょっとオチル（汗）

・ライアーゲーム2nd Seasonサウンドトラック
　どの曲もドラマのシーンをリアルに思い出させる。シナリオも素晴らしい作品
だけど、サントラもすごいよ。ドラマ自体は廃墟みたいな場所でゲームをやって
る訳だから、多分意外と低予算なのではないかと思う。その分音楽に金かかって
るのではないか。もちろん中田ヤスタカはPerfumeのプロデューサーとしてここ
２、３年で芽を出したばかりのニューカマーではあるけれど、この打込みはかな
り凝ってるな、と思う。ヘタをすればサントラがドラマを凌駕しかねないくらい
の完成度の高さで、やっぱりこのドラマは面白かったな、と思う。フクナガみた
いなキョーレツなキャラがドラマの主導権を握っちゃうくらい非日常を見事にお
茶の間に届けたドラマ。

・V.A. / 8bits
　赤坂グラフィティと言うアコースティック系中心のライブハウスのコンピレー
ション。先日のソケースロックの出演者、ストウタカシの参加アルバムと言うこ
とで。最近こういうアコースティックなポップソングって聞かないなあ。勇気と
か自分とかの唄は多いけど、最近こういうナイーブなラブソングって聞かない気
がする。いや、草食系男子と言うことでは今時でも十分通用するはずだけど。
久々に聞くと居心地がいい。オリジナル曲なのにどこか懐かしさを感じる。

・The Good Is Good / Speed Star
　長谷川録司率いるThe Good Is Goodのシングル。腹に力にあった太い声なが
ら、心の琴線の震えが共鳴する説得力のあるボーカルが素晴らしい。バンドサウ
ンドでやっているけど、アコギ１本でも行けるような、シンプルに美しい楽曲。