[DISKREVIEW] Buono!, 山田優, Xtreme Hard, w-inds., 椎名林檎

・Buono! / ホントのじぶん
　いやもうスバラシイの一言。歌って踊れるアイドルのひとつの完成型じゃない
だろうか。例えばモー娘。やAKBのように大人数のパワーで攻めるわけでもな
く、ユーロビートのような既成のフォーマットでもなく、基本であるメロディの
良さ、歌詞の良さが完璧で、Perfume的な完璧な振り付けで。まだボクは３人の
メンバーのことをよく知らないのだが、Perfume同様、知らないからこそガツン
と来る。アイドルとしての普遍的な要素が全部つまってるんじゃないかと思う。
２１世紀の大傑作。

・Buono! / Kiss! Kiss! Kiss!
　この３人、基本は２ビートのロックンロールなんですね。こりゃライブは盛り
上がるよね、ぁみにぃのせんじぇねみたいに。たぶんもうこれはヲタ芸じゃなく
てモッシュ来そうです。

・山田優／MYUSIC
　さすが女性ファッション誌トップモデルの優ちゃん、歌ってもカッコいいで
す！ただ、エビちゃんなんかもそうだけど、トップモデルでありながら親しみや
すさも兼ね備えているところが希有な存在。まぁオイラの場合はB.B.Wavesの時
代から知ってる、というのもあるのだけど。歌唱力も本格派、だって小学校時代
からアマチュアながら舞台に立って歌ってた人なんだから、モデルだからと甘く
見てはいけません(^o^)
　前半はラガやダウンビートなヒップホップトラックに乗せてヘヴィな存在感を
見せつける歌い方。そして中盤にすでにシングルでヒットした曲が並ぶ。後半に
はハウストラックやテクノトラックのナンバーも並び、ダンスミュージックアル
バムの構成としても秀逸。ライブがあったら観に行きたいです。

・V.A. / X-treme Hard compilation Vol.1
　ハードコアってのはやっぱり現場で暴れてナンボな音ではあるけれど、逆に自
宅で勉強中とか、タマるときに手が伸びる音源でもある。それはともかく、ハー
ドコアはお世辞抜きで日本が一番面白いかもしれない。ドイツやオランダも面白
いけど、日本人ならではのネジレっぷりってもんがあるから。で、これを聞いた
らやっぱり現場だ（笑）。

・w-inds. / Seventh Ave.
　また一歩成長したw-inds.がいる。ジャケットは東京だが、ニューヨークにも
見えるしロンドンにも見える、とにかく都会のイメージ。そしてそれは逆説で
あって、都会に軸足をおきながら、自分の原点を振り返っている。そう、がむ
しゃらに走って来たこれまでと違って、一歩引いて自分たちを客観的に見つめて
いる３人がいる。つまり余裕がある。
　なんて言うのかな、ここでの３人を傑作を残そうなんて肩肘を張ってないよう
に思える。その余裕が逆に緩急のある地に足の付いたアルバムにしている。きっ
と今年も夏コンが終わったら台湾行ったりひょっとしたら他の海外にも行くかも
しれない。アーティストなんてものはたいていはエゴが強い方が面白いけど、彼
らに限っては謙虚な姿勢が傑作を生み出し続ける原動力になっていると思う。

・椎名林檎／私と放電
　椎名林檎がデビュ−１０年かあ、と言うことは宇多田ヒカルもそれに近いとい
うことになる。２１世紀の歌姫が登場してから１０年経ったということ。
　それはともかく、ベスト盤ということで聴き易い内容だ。林檎さんらしいマニ
アックな楽曲の並べ方とニューミックスをしておきながら、林檎さんの声を前に
出しているので大衆歌謡的“歌モノ”として聴ける（正直、東京事変の頃は楽器
音の方が大きすぎるトラックダウンバランスのために林檎さんらしさが失われて
いたような感じもあったし）。
　今更ながら、“椎名林檎”らしさなんてモノを一言では言い表せない幅広さを
感じる。にもかかわらず散漫さとも無縁。アンビバレントという単語は彼女のた
めにあるのではないかと思うほど、バランスの取れた分裂症候群の楽曲たち。密
やかな祝祭がこの２枚組ＣＤには詰まっている。