[DISKREVIEW] 南明奈, Cafe Del Mar Volumen Doce, Body & Soul volume 5, 東京事変, HALCALI


<2007.07.28(Sat)>
・南明奈/とんちんかんちん一休さん
 まさかアッキーナがCDデビューするとは思わなかったし、本人も歌は苦手ら
しいのだが、でもなんだかテクノポップ調で面白い感じ、かなり楽しい楽曲に仕
上がってて先ずは大成功じゃないでしょうか。タイトル曲も良いけど、カップリ
ングの「HAPPYバスでぃ!」がまたロック調のはじけた楽曲で楽しい!今からラ
イブで飛ぶのが待ち遠しいです:-)

・Cafe Del Mar Volumen Doce
 Jose' PadillaもBrunoもこのシリーズにはかかわらなくなってしまったようだ
が、まだコンピレーションシリーズは続いているようです。もうコンパイラーの
色抜きに、やっぱり良くセレクトされたコンピレーションだと思う。このインス
ト中心のラウンジミュージック、もちろん心の癒しだと感じる人も多いが、身体
の癒しにも良い。夏バテした身体にこういう音はとてもやさしい。またイビザ島
へ行きたいなあ。

・Body & Soul volume 5
 日本での公演は今年もあったものの,もう本場NYではやってないので、この
コンピシリーズも終わったものだと思っていたら,なんとVol.5が出てました!
やっぱりこのパーティはクラブシーンの金字塔なんだなあ。CDで聴いていても
1曲1曲にワクワクしてしまう。僕はもうクラブコンピなんてCD全体の流れし
か聴いてないのに(汗)、このCDは流れと同じくらい1曲1曲を聴かせてくれ
る。ただ好きなレコードをかけるだけではない,そこに生演奏に匹敵するくらい
の,いやそれ以上の魂が込められることを証明するコンピ。なんか大仰にも,音
楽の未来を語りたくなるような,美しくてしかも未来を楽観したくなるような,
そんな素晴らしさがある。

・東京事変/OSCA
 椎名林檎って本当はジャズがやりたいの?東京事変自体はロックバンドなの
に,かなりジャズ(フリージャズ)っぽい音を出している。とは言え,決して新
しいジャズをやってないのは残念。今時ジャズバンドなんて五万といる訳で,彼
らとタイマン張ろうとするにはちょっとロック過ぎるし(林檎さんの音自体ひね
くれてるとは思うが,ジャズバンドに対抗するならそれ以上に変拍子やアドリブ
なんて朝飯前のひねくりぶりに対抗しなければならない),やはりジャズだと彼
女の独特の詞の世界が生きて来ないような気がする(ピノキオみたいなシンプル
な楽曲の方が林檎っぽさが出てる)。まぁでも林檎さんの才能なら僕の好き勝手
な希望は全然無茶ではないだろう。今回は生音寄りだが,次回あたり打込みしま
くりのひねくれサウンドを期待してみたい。それにしてもこの黄色と黒のまだら
模様,つい"E2-E4"を連想してしまう。:-)

・ハルカリ/サイボーグ俺様
 ハルカとユカリの二人は個性がないのが個性なんだろうなあ。たとえは悪い
が,リカちゃん人形みたいな存在と言ったら良いんだろうか。アルバムタイトル
のサイボーグってのがまさにそのことを表してる。
 そして、個性がないことをいいことに,恥ずかしげもなく様々なジャンルの名
曲をバックトラックにパクりまくる。"IT'S PARTY TIME"ではハイロウズの「日
曜日よりの使者」を、"Twinkle Star"では「荒野の7人」のテーマをドラムン
ベースアレンジにしてライムするし,「サイボーグ俺達」はポリシックスをプロ
デュースに迎えてモロにクラフトワークなトラック。"Tip Taps Tip"はまるっき
りダフトパンク。どうみても彼女達自身は原曲に思い入れなんか持ってる訳はな
くて,ヴォコーダーこそ使ってないけどまるでロボットボイスのように、つまり
女性版バグルズの「ラジオスターの悲劇」みたいにテクノロジーとノスタルジー
の結合を披露してる。昔みたいにトータルにDJ FUMIYAのプロデュースではなく
なったけど,やはりアルバムではやりたい放題っぷりが清々しいアルバム。