Nightmare @ Module, Shibuya


<2005.04.22(Fri)>
 もうすぐこんな遊び方も終わりになる。それを目の前にして手をこまねいてい
ると、チェーホフ「櫻の園」で没落して行く貴族にイメージが重なる。彼らは生
き方に器用になるよりは、自らのプライドにこだわったのだと思う。私もおそら
く同様だ、もう少しまじめに仕事をして器用に生き延びることよりも、遊び人
(?)としてのプライドを最後まで守り抜いてやる、と言う気分で今日も夜の街に
出かけて行く(なんか文章にすると臭いな(笑))。
 3月頭にTorture Garden Japanが六本木スパイラルであったらしいのだが、そ
の頃はまともにクラブ情報を収集できてなかったので行きそびれてしまった。し
かしそのサブセットバージョンとも言えるNightmareが渋谷モジュールであると
言うので、サイバーウェアを着て自転車にまたがる(笑)。クラビングを始めて
10年以上になるが、未だに自転車で通う情熱が残っていることは幸いなことだ
と思う。モジュールと言えば元CAVE、80年代後期に開店した、日本のクラブで
も5本の指に入る老舗である。クラビングを始めたばかりの頃にテクノのパーテ
ィで2回くらい来たことがあったが(あの子にはここで初めて会いました>
sasao)、それ以来全く行ったことがなく、つまりほぼ10年ぶりに来た、と言
う訳である(ヒップホップパーティが多いのが理由なんだけど)。狭いフロアが
地下1階と2階にある、と言う形式は変わらないが、地下1階がすべてラウンジ
になってました。
 さてナイトメア、音楽はハードハウス、ドレスコードの厳しいパーティでエナ
メルフェチ、SMファッション、コスプレなどいろいろな人種がいるが(やはり
外人度高め)、サブセットバージョンのせいか、かなりカジュアルなファッショ
ンの人もいる(つーか、スタッフが普通の格好なんですけど(ちょっと不満))。
まぁそうは言っても間違いなく他のパーティよりはおかしな連中の割合が高い
ですけどね(^o^)。腹の出た露出狂のオヤジが見たくもないものぶらぶらさせて
踊る姿なんて、滑稽きわまりないと言うか表なら完全に犯罪な訳だが、ここでは
そんな変態も受け入れられる、素晴らしく自由な空間である(女の子も若くてキ
レイな男の子でもないのにキャッキャと喜んでるし)。いちおうショータイムら
しきものがあって、1時間おきにステージに女王様スタイル(ラバーファッショ
ン)の女の子が入れ替わり立ち替わり生け贄(笑、基本的に男)を羽交い締めに
したり四つん這いにさせたりして鞭のお仕置きをする、と言うもの。んー、そん
なもの見てもあんまり面白くないな、ただ1回だけ、ファイアーダンスのパフォ
ーマンスがありました。まぁそんなものですね、やはり本家トーチャーガーデン
の過激なパフォーマンスが目に焼き付いているオイラにはぬる過ぎです(苦笑)。
あと、先ほどドレスコードが厳しいと書きましたが、今回はサイバーやゴシック
が少数派でしたね。ナイトメアだと宣伝が偏っててこういう人たちが来ないので
はないかと邪推。
 音楽的にはアッパーなのですぐ汗をかいて疲れる、と思っていたが、逆にフロ
アが込んでいて(というか狭くて)踊りづらかったため、あまり燃焼できずにど
んどん時間が経って行った、と言う感じ。終わりの終わりにはさすがにガラガラ
になって踊りまくれましたが。
 DJプレイは5時20分頃終了しましたが、なんか知らんがクラウドのSMフ
ェティッシュっぷりは最後になってラウンジで盛り上がってましたね、つまり先
ほどのステージ出演者がパフォーマンスとしてでなく、観客サービスに鞭を振る
舞い、それを喜ぶM男クンたちが裸のお尻をさらしたりしてる訳で、そりゃもう
とんでもない世界な訳です(笑)。でもそう言う現実では奇妙きわまりないこと
がここではまるで当たり前のように繰り広げられる空間。もはやストレス発散な
どと言うレベルではなく、もう一つの全く別の顔の人生を行きたい、と言う願望
を一瞬だけかなえさせてくれるパーティ、とでも言ったらいいでしょうか。店を
出たらいい天気、うろこ雲が流れて行く風景が美しかったです。