in the city TOKYO 2003 "Smiles & Tears Special -SIMPLY-"


VENUE: 渋谷AX
<2003.10.01(Wed)>
 アコースティックライブでリラックスできるかと思ったが、とんでも
ライブだった。オイラみたいなジャパニーズポップスにトーシロな人間
が観るようなライブではなかった、ぅか。:-)
 "Smiles & Tears"と言うライブはこれで4回目。武部聡志、小倉博和、
そして加藤いづみ、と言う3人がコア(+パーカッションの三沢またろ
うが準パーマネントメンバー)なのだが、そこにいろんなゲストを呼ん
でホームパーティっぽく音楽を楽しみましょう、と言う趣旨のライブ。
これまでの3回はすべてクラブクアトロだったが、今回はAXで。会場
は広いですが、座席を出しているのでキャパは6〜800と言ったとこ
ろで、クアトロ(400くらい?)よりやや多い、と言う程度。開演前
はなんと言ってもいづみさんのエッセイ集「恋愛かもしれない−好きに
なって、よかった」を買わなければ。なんか今日の客層はすごい、両隣
がオイラと同い年か歳上のオッサンだし(オヤジをライブハウスで見る
のは本当に珍しい)、かと思えば後ろはキャピキャピの女子大生だ。つ
まり今日のゲストのバラエティが広いと言うことである。
 オープニングはまずコアメンバーで2曲。1曲目は知らない曲だった
が、今日はJ-STANDARDを歌いましょう、と言うことで、いづみさんの代
表曲“好きになって、よかった”を。ライブの始めで聴くような歌では
ないのだが(切な系ですから)、普段のライブのようなアコギではなく、
もっと軽いアレンジで。
 最初のゲストはキンモクセイの伊藤俊吾さん。女子大生はこの人がお
目当てかな?バンドの代表曲を1曲歌った後、さて来ました、大貫妙子
さんが登場!一応出ることは知っていたが、それでもやっぱりJポップ
ヒストリーに足跡を残してきた人の登場にはオーラがあります。伊藤さ
ん、大貫さん、そしていづみさんの3人で1曲。
 次のゲストは松本英子さん、彼女はいづみさんとは公私共に交流の深
いアーティスト、気心も知れた人なのでこちらもリラックスして楽しめ
るのですが、それでもバックにはAJIの見事なアカペラを従えての
"SQUALL"です。この曲もスタンダードに数えていい名曲ですが、アカペ
ラを従えるとまたいい緊張感が出て素晴らしい。そのあといづみさんと
沖縄ポップのスタンダード“花”を(英子さんのアルバム「君の音」で
もデュエットしていた曲)。そして再び大貫さん登場、英子さん緊張し
てます、彼女もシュガーベイブの大ファンらしく、彼女がやはりアルバ
ム「君の音」でカバーしていた「いつも通り」を、いづみさんと一緒に
バックコーラスで。大貫さんも出たりは行ったりばかりではいられない、
このあとソロで「新しいシャツ」と言う曲を。告知で、10月29日に
「Library」と言うレコード会社編集のベスト盤が出るそう。こちらは
一般的に馴染み深い曲中心の編集、と言うことですが、大貫さん自身で
セレクトした私的ベスト盤も考えていて、ネット通販で出したい、みた
いな発言もありました。このあと今度はAJIが単独で登場、"TSUNAMI"
をカバーしていきました。ベタな選曲ではあるが、コーラスが映えまくっ
ていて、納得させられます。
 さてここからが強力なシークレットゲストの登場、先ずは武部さんの
紹介で一青窈の登場。先ずは彼女のもう一つの故郷、台湾の民謡を。一
青さんと言えば裸足でステージングがトレードマークですが、この日も
裸足でパワフルなボーカルを披露しています。そしていづみさん、英子
さんをバックコーラスに「もらい泣き」。生で聴くとすごい説得力を感
じました。
 続いて登場はASKA、いづみさんの紹介で会場からどよめきが(オ
イラもどよめいた:-))。600人の会場でASKAさんなんて、こりゃ
シークレット以外の何者でもないでしょう。「始まりはいつも雨」と、
スタンダード曲を1曲。なんつーか、ものすごい集中力を使って歌い上げ
る人です、歌う姿にトップアーティストとしての迫力がある、と言うか。
 そして更に、まさかまさかの超大物ゲスト、松任谷由実さん登場!い
づみさんが彼女のライブでバックコーラスをしていた、と言うご縁があ
るとはいえ、自分たちのライブに呼んでしまうとは!更に、歌った曲は
「卒業写真」ですよ!スタンダード曲ということで、荒井由実時代の曲
から来ました。いづみさんしっかりコーラスしてます。そして、再び大
貫さん登場、ユーミンのトリビュートアルバム"Queen's Fellows"で大貫
さんがカバーした「私のフランソワーズ」をデュエットです。この二人
がデュエットって、もはや“事件”としか言いようがない。つーか、歌
の前のトークは当時の思い出話、ジャパニーズポップス黎明期の貴重な
発言が聞けました。これ絶対に明日のスポーツ紙に出るよなあ。最後に
ユーミンがソロで「春よ・来い」を。私みたいな人間が、前から3列目
でユーミン見ちゃっていいもんなんでしょうか?
 と言うわけで、J−STANDARDの生き証人が並んだライブ、最
後はコアメンバーで槙原敬之「どんな時も」を。
 アンコールでは今日のゲスト全員をもう一度呼んで挨拶(さすがにこ
のメンバーで1曲、と言うのは難しかったようで)。そして3人で
Smiles&Tearsのオリジナル曲「あかね空」を。Smiles&Tearsも4回目を
迎え、しかもこの超豪華なゲストを呼ぶほどになり、そろそろコンピレー
ションアルバムを出すようです、なんかこちらも大変なことになりそう
だなあ。と言うことで、非常に濃い2時間半でした。それにしても、一
青窈やASKA、ユーミンと言ったすごい人脈を持った武部さん、これ
ほどまでに超大物ゲストを迎えておきながら飄々とした姿勢を崩さない
小倉さん、4年間もの沈黙(時々ライブはしてましたが)の末、先月よ
うやくニューアルバムを出して復活したと思ったら、こんなすごいゲス
トたちと共演してしまういづみさん、この人たちは一体何者なのでしょ
うか?