Torture Garden Japan @ Yellow, Nishiazabu

　この世の果てを見てきました（笑）。驚愕のパーティ、どう転んでも今年
No.1のパーティ。
＃注意：過激な描写が多いため（特に後半）、食事しながら読むのは控えた
＃方がよいでしょう。

　個人的にもこのパーティに向けては盛り上がっていて、ドレスコードをパ
スするためにちゃんとしたテクノウェア（笑、いつもはＴシャツとかカジュ
アルで行ってるから）を新調したり、その日は緊張でお腹の調子がおかしかっ
たり（爆）。会社は９時に上がっていったん帰宅、着替えて西麻布へ。さす
がにトランスウェアで自転車漕ぐのは辛そうだったので、丸の内線と大江戸
線を乗り継いで六本木へ。
　さてこの、どうかしちゃってる人たちのための:-)パーティ、フロアでかかっ
ているのはＵＫハードハウスだが、誰もＤＪの方を向いてなんか踊ってない、
ステージに上ってる人たち（スタッフアーティストもいるし、素人もいる）
に興味津々。いや、この日はまさに「我々が主役」と言うパーティだった。
なので、そのフロアにいたイカレちゃってる人たちをちょっと紹介。
・レザーパンツに上半身裸、なんて人は山ほどいたが、黒髪でピアスもなし、
って人がいて、あれはどう見ても昼間はまっとうな仕事の人だ。
・神父とか修道女など、宗教的なコスプレは外人に多い。日本人はだからと
言って袈裟着てきた奴はいないのだが（日本人でも修道女コスプレはいた）。
・赤ちゃんの格好（おむつ）とか医者の格好（手術着）、喪服など、単なる
コスプレ好きも多し。まぁいいんだけど、パーティの主旨とはちょっと違う
ような。:-) 基本的にコミケ系な人と見ましたが。看護婦コスプレを男がやっ
てるし。:-)
・意外とタトゥーな人が少なかった。確かにノースリーヴのワンピースの女
の子などは肩からタトゥーが覗くのだが、ああいうオシャレタトゥーじゃな
くて、ヤクザと紙一重の全身タトゥー野郎とかを期待してたんだけど。:-)
・ＳＭ系は多かったですね。首輪に鎖男はかなりいたし、そういうカップル
は女は間違いなく黒下着に黒タイツスタイル。:-) あと、ろうそくを持ち歩
いて、希望者に溶けた蝋を腕や背中にかけてあげるサービスしてる人がいま
した。
・女装も多数、ただし単なる趣味なのか、ニューハーフなのか、あるいは性
転換者なのか、素人には見た目だけでは分かりませんでした。
・まぁここでの一番の正統派はラバーフェティッシュでしょう（笑）。ラバー
シャツは来年個人的にもチャレンジしてみたい。でもラバーのヘッドギアは
勘弁、汗かきな体質なので、私的には拷問。(-_-);;
・着物着て日章旗振ってる女の子が３人。雨宮処凛系の少女右翼と思われま
す。パンクファッションって基本的にイギリスの受け売りだけど、これはま
さに日本オリジナルのパンクファッションですな。
　てなわけで、今日はもう踊んなくていい、人間観察してればエントランス
フィーの元は取れるパーティ。がしかし、やはり特筆すべきはこのイベント
のためのパフォーマンスアーティスト。
・いきなり腰を抜かしました、グラマラスな女性パフォーマー、鼻の穴に釘
打ってます(*O*)。あれどうなってるんでしょう？脳髄に刺さったら死にます
から、喉奥にでも逃してるのだと思いますが、それにしても。。。しかも釘
を観客の１人に抜かせるという。鎖を鼻から入れて、口から出すなんてのも
やってました。
・ファイア・パフォーマンス。先ほどの女性パフォーマーともう１人女性パ
フォーマー。本当に舌に火を付けちゃってます(*O*) あと、腕にろうそくを
刺して（ろうそくの芯が針になっていて、本当に腕に刺しちゃうんです）、
自分で吹いて消すとか。１人はフルヌードになっちゃってるというのに、パ
フォーマンスが過激すぎて、エロティシズムなんて完全に吹っ飛んでます。
・電撃パフォーマンス。胸と股間に金属の板を張っていて、そこにチェーン
ソーを当てて火花を撒き散らすと言うパフォーマンス。消防法的に大丈夫な
だろうか？（愚問）
・ボディ・サスペンション。クライマックスはこれ。背中１面タトゥー男に
先ほどの女性パフォーマーがアルコール消毒してます。これからサスペンショ
ンのためのフックを背中に刺すのです。刺すたびにフロアから悲鳴が。噂に
は聞いていましたが、マジヤバ過ぎです。(*_*) まぁピアッサー、タトゥー
人にはあの痛みは多少なりとも想像できるのでしょうが、私のような素人に
は自分の想像を超えた行為に卒倒しそうです。当然刺したところからは真っ
赤な血が流れてきています。
　４本フックを刺したところで、サスペンダーの下がっている位置に移動。
フックを支えるひもをサスペンダーに引っかけ、足元の台を外していよいよ
宙づり状態に。映画のクライマックスとは訳が違います、生身の人間が目の
前でこの驚異的なシーンを演じるのです、唾を飲み込むどころか、口を開け
たまま見守る、と言う有り様でした。最初ゆっくり回り始め、段々と加速、
この世の出来事とは思えない光景。更に、先ほどの女性パフォーマーと抱擁
しながらの宙づり状態。これには思わず感動のあまり涙が流れてしまいまし
た。あのぶっといフックを刺させる信頼はこの愛情あってのものだったのか、
と気づいたからです。当然この女性もボディサスペンションの経験があり、
彼の苦痛を想像できるのでしょう、抱擁しながら泣いています、こんな愛の
形もあるのか、もうどう言葉に表したらいいのか、驚きとも感動とも何とも
言えない激しい感情の高ぶりを感じました。
　その後も音楽は５時半まで流れ続けました。驚異的な非日常的空間の中に、
至上の幸福があったような気がします。踊り疲れはしませんでしたが、感情
の高ぶりで消耗した、と言う感じ。パーティの最中、あまりの驚異的な空間
に、意味もなくにやけてしまうこともしばしば、感情が暴走しちゃったかの
ようでした。
　何と言うか、久々に人生観をひっくり返すに値する出来事を体験。最先端
の振りをして、実は最も原始的な感覚を取り戻す作業のような気がする。Ｔ
Ｖやインターネットの普及で、知識やイマジネーションは無限の広がりを持
つ時代、その一方でそれらを五感でしっかりと感じ取る、と言う作業が抜け
落ちているところが今の時代を生きる人々の“不安”の根源だと思うが、こ
こでは皆がそのひん曲がったイマジネーションを実際に肉体的に体験してし
まう。過激なイマジネーションに実際に人間の肉体を追いつかせようとして
いる。痛みは一般的な感覚では苦痛でしかないが、ここでは“不安を取り除
き、生きる実感を取り戻す”作業として機能しているのだと思う。
　何はともあれ、来年も絶対来るぞ。