Voices Carry @ Akasaka Blitz (5/31)

　うたいびとはね、Bluem of Youthとともに加藤いづみの名前が入っていたので、
赤坂ブリッツのオムニバスライブに行ってきました。こういうタイバン形式って
キャパ１００人くらいのライブハウスが普通だが、ブリッツクラスのハコでやるっ
てのも珍しいな。込み込みにはならないだろう、と予想し、開演後３０分後に到
着しましたが、やはり椅子が出てました（苦笑）。それでも座れる余裕ぶり（一
番後ろでしたけど）。

　オープニングアクトが終った後で、ちょうどいづみさんのライブスタートに間
に合った。

1.美しすぎて
2.君のこと
3.好きになって、よかった
4.シェルブールの雨
5.ドライブ

　この大きなハコにして、バックはアコースティックギター２本のみ、と言うシ
ンプルな構成。原点に返った、と言うか、地味であるがゆえにいづみさんらしさ
の出たいいライブでした。うたいびともブルームも活動歴、ファン層共に全然下、
と言うことで“お姉さん”ぶりが出てた今日のＭＣでした。若いアーティストの
方がファンも若いしパワフルだし、でいづみさんはファンも地味でしたが、しか
しオヤジファンはオヤジなりに、ここまで来たら一生ついていく、みたいな落ち
着きはあるのかな。
　それはともかく、印象に残ったのは２点。先ず新曲の「君のこと」が実にいづ
みさんらしいシンプルな切なソング。もちろんいづみさんは年月を経てアーティ
ストとしての成長はしているだろうと思う。しかし永遠普遍のラブソングは人間
やアーティストの成長だけでは計れない。もしかするといづみさんが脂の乗って
いた時期に生み出した頃と同じ感覚を取り戻したのではないか、と思わせるとて
もリアルな切なさを持ったラブソングだった。そして「好きになって、よかった」。
「歌うたびに違う気持ちで歌える歌」といづみさんは言う、聞き手の私もまたし
かり、同じメロディ、同じ歌詞でも、聴くたびに毎回異なる味わいがある。アー
ティストと一緒に、楽曲もまた成長するのであろうか。ラストの「ドライブ」に
もそれに近い感覚がある。取りたてて世間で大ヒットしたわけではない、加藤い
づみと言うアーティストを好きだけど、音楽的には沢山の浮気をしている。一杯
浮気をした後でまた戻って来れるようなアンセムを、いづみさんは結構歌ってい
るのだ。淡々とした流れではあったけれど、これは素晴らしいライブだった。

　では他の２アーティスト、先ずはうたいびとはね。福岡出身のフォークデュオ、
まぁポストゆず、と言ったところだろう。個人的にはゆずを殆ど聴いたことがな
いので、フォークと言うと高円寺在住の私は真っ先にストリートミュージシャン
を思い浮かべてしまうのだが、やはりこういう大きいステージに出てくるアーティ
ストは、ものすごくしっかりとしたエンターテインメントをやってくれる。アマ
チュアミュージシャンのルサンチマンとは違う、アップテンポで盛り上げ、バラー
ドで聴かせ、と言う押しと引きがきちんとできている。制服姿の女子高生たちの
声援が飛ぶ。別にジャニーズのような美形と言うわけではなくて、むしろお笑い
と同列の、優れたエンターテインメントとしての女子高生人気なのだと思った。
なので、オヤジだからついていけない、と言うこともなく、それなりに楽しめま
した。
  Bluem of Youth、こちらはボーカリストのフェロモンバリバリのロックンロー
ルバンドでした。お約束のノリ方が見事に揃っていて、こりゃすげー、と驚いて
見てました（笑）。こちらも徹底的にエンターテインメント、でもこちらはオヤ
ジ、と言うか男子にはついていきづらい雰囲気だったかな（苦笑）。やはりロケ
ンロールと言えばダイブがないとね（笑）。

　アンコールで再び３組のアーティストが登場、ブルームの"Yes, We Are Love"
と言う歌で終りました。それにしてもどういう基準で集めたんだか、見事に個性
の異なるアーティストを揃えたもんですね。