[ART] 展覧会2軒


<2001.04.22(Sun)>
展覧会は久しぶりだなぁ。

	西脇唯「花と言葉」展@代官山無垢里

 ここ最近はずっと身体を壊されていた+何か裁判沙汰でごたごたしていらした
ようで、音楽活動の方はほとんど音沙汰のなかった唯さん。で、久々の音沙汰が
この展覧会の案内状。I○Jの停電対策で朝8時には会社にいたので、8時半に
竹橋を出て代官山についたのが9時過ぎ。朝の代官山を散策したり、喫茶店で時
間を潰したりして11時過ぎに会場の無垢里へ。
 先ず、建物がいい。完全に閑静な住宅街の中で、会場自体も昭和の匂いを残す
木造の家を改造してのスペース。玄関に並ぶ陶器(これらは唯さんの作品とは別)
をみる限り、和食器とか骨董品の展示をメインとしている会場のように思われる。
玄関で靴を脱ぎ、応接間と茶の間と思しきスペースに唯さん製作のアートフラワー
が並ぶ。作品の一つ一つはあまり自己主張することもなく、強く印象に残ったと
言う気はあまりしなかったが、明け方の寒い曇り空があけて日差しが茶の間に差
し込んできて、そんな中に唯さんのCDがBGMとしてかすかに流れる空間、そ
のなんとも贅沢な時間の流れが心地良かった。みんな自己主張に強い人たちばか
りが人気を集めるJポップシーンにおいては、彼女は完全に落ちこぼれたのかも
しれない。しかし、そうした人気者たちにはない温かみ、優しさを持っている、
しかもそれらは時代のはやり廃りに関係のない普遍的なセンチメント。癒し系な
どという安っぽいレッテルにも乗っかることなく、ありのままの彼女で創作活動
を続けている唯さんの、地味だが本当に癒される時間、空間を味わうことができ
た。

	ジャン・コクトー展@渋谷東急BUNKAMURAザ・ミュージアム

   BUNKAMURAってなんかいつも込んでる、という印象があって最近近寄ってなかっ
たんだけど(苦笑)、代官山から一駅なので、ついでに見ちゃえ、ってことで。:-)
やっぱ、コクトーの時代の文化人の社交ってすごいね、まぁコクトーって人がそ
の時代の中心的存在だってのは前からわかってはいたけれど、今の時代のように
メディアの媒介なしに文化人が直接コミュニケーションを取ってお互いを刺激し
あってる、そういう時代のシステムには今の時代負けちゃってるんじゃないかな、
と思った。今の時代だってもちろん直接コミュニケーションは取れる、だけど情
報が多すぎて、他のジャンルの文化人とコミュニケートする時の情報の取捨選択
はとても困難。クロスオーバーによってビックリするような新しいものが生まれ
る、という環境はやはりこの時代ならではのものだったのだろうなあ、という気
がする。と言うことで、コクトー=画家ではないので、当時のパリの独特の雰囲
気を感じ取るための展覧会、と思って観ました。