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From: Cazou ACID Sanada 
Date: Sat, 26 Feb 2000 16:37:30 +0900
Subject: [music-fans:00317] ミレニアムアイドル論(2)
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続いて第2弾。

・浜崎あゆみはかわいそう

 現在のJポップシーンのトップを走っている浜崎あゆみ。去年の後半くらい
からだろうか、ものすごい数の彼女の曲のリミックス作品がリリースされてい
る。中には限定販売のものもあり、熱狂的なファンですら手に入らないアイテ
ムもあるようだ。
 それにしてもなぜ彼女はこんなにリミックス作品が多いのだろうか?もちろ
ん彼女がダンスミュージック専門(元々はね)レコード会社、AVEX TRAX所属
だからに他ならないが、それとて他の所属アーティストがそこそこの数しかリ
ミックス作品がない(MAXやELTはSEBのコンピに一部ミックス物が収
録される程度だし、DA PUMPなどはリミックスされたと言う話は殆ど聞かない)
ことを考えると不自然だ。
 それにもまして、私にとって謎なのは、彼女は殆どの作品を自分で作詞して
いる、つまり、アイドル歌手と言うよりはキチンと自己表現をしているアーティ
ストタイプの歌手で、その意味では他者の介入が増えるリミックスと言う料理
方法に本人が積極的に考えているのか、と言うこと。個人的には、彼女のよう
な自己表現型のアーティストがリミックスを積極的に進める、と言うのは考え
にくい。リミックスとは自分の作品が完全に“材料”として扱われ、全く別の
作品になると言うことだ。モーニング娘。や鈴木あみのようなオーディション
番組出身のアイドルが自らの作品が自由に料理されるのは、本人たちも自らを
ある種メディア上のアイコンであることを自覚していることを考えると肯定的
であってもおかしくないが、浜崎嬢についてはそうではないのではないか。
 そして、本人と同様、彼女のファンがどう思っているのか、と言うのも気に
なるところ。リリース作品が単純に増えて喜ぶ、と言うファンもいるだろうが、
作品がリミキサーのおもちゃにされているのを見て素直に喜べるものなのだろ
うか。私だったらちょっと腹が立つけど。
 もちろん私はクラブミュージックマニアとして、リミックスそのものについ
ては肯定的であるし、彼女のファンではないから、あくまでもリミキサーの作
品、と言う視点からリミックス作品を買っている。でもあゆみ嬢本人のファン
が素直にこれらの作品を歓迎しているのか、と言う点についてはどうにもいぶ
かしいものがある。でもそうやって実際に売れてるし、彼女の評判が落ちた、
と言う話も聞かないから、あんまり気にされてはいないのかな?(もしそうだ
としたら、失礼ながら個人的にはそういうファンってある意味デリカシーが足
りないファンなんじゃないかな、と思ったりする)
 最近QuickJapanが今時の音楽雑誌を批評性のない、退屈極まりない雑誌だ、
と切って捨てていたが、浜崎あゆみはまさにそうした退屈極まりない音楽雑誌
に引っ張りだこのアーティスト。それゆえ、ファンがこうした批評の目を持た
ないまま音楽を聴いているのではないか、と考えたりする。1999年は宇多
田ヒカル、椎名林檎、と言うすごい才能がJポップシーンを席捲した年であっ
たが、だからと言ってJポップシーンが本当に活性化したのか?と問われると、
こうしたサムイ事情を見るにつけ、何も変わっていないな、と言う失望感に襲
われてしまうのである。

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Cazou ACID Sanada
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