From sana  Wed Mar 27 08:52:32 1996
Date: Wed, 27 Mar 1996 08:52:25 --900
From: sana (Cazou "ACID" Sanada)
Subject: [music-fans:00297] Mix Up CD

 Mix Up Vol.2 featuring Jeff Mills (Live at Liquid Room Tokyo)

  ＤＪによるノンストップリミックスＣＤはこれまでにも沢山聴いて来たが、
ライブ録音というのはそれ程多くない。しかも、わざとやっているのか、音場
が不安定で左右のバランスが常に揺らいでいるような録音状態。にもかかわら
ず、ジェフ・ミルズのマジカルなＤＪプレイの迫力は厳然として音源に刻みこ
まれていて、その光を失っていない。

  この作品はテクノと呼ばれるダンスミュージック＝肉体的音楽が、歴史的に
も十分に地位を確保しうるほどのメンタル性＝精神性をも包含していることを
端的に示している。それは「ゴッドファーザー・オブ・テクノ」と呼ばれてい
るKraftwerk登場の頃からの否定しようのない真実。彼の音楽を言葉で置き換
えることなど他の音楽にも増して陳腐なことだが、あえてその危険を冒すなら
ば、最新のテクノロジーを駆使するがゆえのリアリティのある自然への畏怖の
的確な表現となっている、と思う。これまた陳腐な例えだが、蒸気機関車の力
強い汽笛音は、水蒸気エネルギーと言う極めて日常的な物理現象が為せる技で
あるがゆえに人々の心を捉えた。彼がこのライブで聴かせる強力な４ビートは、
「マシーンソウル（(c)デリック・メイ）」そのものである。人間の機械文明
が産み落とした「お化け」ではなく、自然の根源的なビートをテクノロジーの
力によって霊媒師のように実際の音楽として体現したのがこのジェフ・ミルズ
のプレイなのである。

P.S.最新号の「ポパイ」はクラブ特集。東京エリアだけでなく、大阪エリアも
完全にフォローされており、これは保存版。クラバーは是非買うべし。

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                                             I am against C*D*A.